おかん
「おかん」
関西では母親のことを「おかん」と呼ぶ子供が多い。
伝説のコント番組「ごっつええ感じ」には、「マー君とおかん」というタイトルのコントシリーズがある。
それだけ関西には“おかん“という呼称が根付いているのだ。
「おかん」は母親ではあるが、「お母様」や「母上」「ママ」とは一味違う。
息子の彼女とは友達も同然。
学校の三者面談では、終わる頃には単独トークライブかと言わんばかりに喋り倒す。
街角でご近所さんやママ友と出会うと2時間越えの井戸端会議。
少年野球や少年サッカーではコーチ顔負けに選手たちに発破をかける。
まさに「ごっつええ感じ」の「マー君とおかん」は、そんな「おかん」像を詳細に体現していた。
と言っても令和のこの時代、街中や公園で見かけるお母さんの中では「おかん」が減ったように感じる。
「えっ!モデルちゃん!?」と思うほど、オシャレでお綺麗なお母様が多い。
そんな中、先日久しぶりに“ザ・おかん“を見かけた。
先日、ショッピングモールで買い物をしていた時のこと。
前方から制服を着た中学生ぐらいの男子とおかんの二人組が歩いてきた。
遠目から分かるぐらいおかんが興奮気味に息子に話しかけている。
おそらく、学校や塾の面談帰りなのか、何らかの学校説明会の帰り道だったのだろう。
よっぽど褒められたのか、有益な情報を得られたのか、おかんはとにかくハイテンション。
まさに、「マー君とおかん」に出てくる松本さんが扮するおかんのようだった。
しかし、そんなおかんを制するように、クールな息子がビシッと一言発した。
「おかん!いい加減落ち着いてくれ!」
すると、おかんは叱られた子供のようにシュンと静かになった。
いつの間にか息子も大人になり、叱られていた立場から叱る立場になったとは何とも感慨深い。
それに、シュンと静かになるおかんも可愛い。
そんな可愛げ、たまにお茶目な部分を覗かせるところも「おかん」の特徴なのである。
久しぶりに“ザ・関西“な息子とおかんのやりとりを目の当たりにし、思わずニヤリとしてしまった一幕だった。
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