急降下
上げるだけ上げといて最後にズドンと落とす。これが女性の性なのだろうか。
先日、日も暮れかかった18時頃、長い1日の重圧から解放された安堵感と、明日も明後日も同じことが続く絶望感が、DNA細胞のらせん構造ように複雑に絡み合った顔をした会社員に溢れるオフィス街を歩いていた。
バス停に並ぶ人、小走りで駅の方向に向かって行く人、2.3人でたわいもない話をしながら帰る人。1日の長い戦いを終えた戦士たちは千差万別に散って行く。中には、家に帰ってからが勝負という戦士もいるのかもしれない。
そんな中、オシャレなレストランの入り口に向かって歩く若い女性の2人組が、ふと視界に入ってきた。恐らく仕事帰りのOLなのだろう。歳の頃は24〜25といったところだろうか。どこか、新入社員を迎え入れた先輩としての風格と、若手社員が故のあどけなさが漂っている。
2人のうちの1人、Aさんが先に入り口までの階段を登る。するとBさんが、Aさんの履いている靴に目を向けた。Aさんは、人気テーマパークUSJの人気アトラクション、ハリウッドドリームザライドが夜にライトアップされた時のように、キラキラしたシルバーのヒールを履いていた。
それを見たBさんは、「めっちゃかわいい!めっちゃかわいい!」と声高々にベタ褒め。Aさんも、ご満悦の様子。なんとも微笑ましい一幕だった。
しかし、次のBさんの一言がAさんの上がり切ったテンションをジェットコースターのように急降下させる。
「かわいい!」と声高々に褒めちぎった後、Bさんはトーンを下げてボソッと「でも歩きにくそう。」
Aさんは、一瞬の沈黙の後、「でもな〜」と必死に弁明に入る。
どうして最後に下げるのか。どこかにケチをつけようと探しているのか。それが女性の性なのか。
女性の恐ろしさを垣間見た一幕だった。
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