防音
最近思う。街ゆくほとんどの人がイヤフォンを付けている!!
音楽聞いているのか、ラジオを聞いているのか。はたまた、流行りに乗るべく、何かを聞くふりをしているのか。
かく言う私もその一人。移動中は常にラジオを聞いている。
遠い遠い先人が今の世にタイムスリップすれば、それはそれは異様な光景だろう。
今の世でも戸惑っている人がいる。
先日のワイドナショーにて、武田鉄矢さんが「最近の子は耳に綿棒みたいの付けてるよね」と仰った。
無理も無いだろう。イヤリングやピアスにしては、大きすぎるし付ける場所も間違っている。ブルートゥースの存在を知らなければ、何のための道具なのかさっぱり分からない。
かく言う私もその一人。今やスマホと共に普及しているairpods。発売された当初は、クラスに1人2人いるお調子者のイタイ奴が、ウケ狙いでイヤフォンの線を切って付けているのかと思っていた。
そんなこんなで、ほとんど全ての人がイヤフォンで外の音を遮断している今日この頃。電車内でもほぼ全ての乗客がイヤフォンを装着し、スマホの世界に吸い込まれている。
この現象により、期せずして防音ワールドが完成されている。
そりゃそうだろう。本人たちはイヤフォンから流れ出る音に夢中で、外の世界の音が聞こえる余地もない。
幸か不幸か、この現象に救われたことがあった。
先日の電車に乗車中の出来事。突如ガスだまりが腹部から出口へ下っていく気配を感じた。
「ま、まずい。このままだと大爆発を起こしてしまう。」
奥歯を食いしばり、きんちゃく袋の紐を締めるかのように、奥歯を食いしばり両足を食いしばり出口を締める。
それでも、ガス爆弾の勢いを鎮火させることはできなかった。
「ポッス~」
哀しくも控えめに爆弾は放れた。
「まずい。完全に気付かれた。合わせる顔がない。」
顔を赤らめつつ、怖いもの見たさで辺りを見渡すと、、、
皆がイヤフォンからの音で一切爆発音に気付いていない。幸か不幸か、私は恥をかかずにすんだ。
文明の発展が生んだ、異様な防音ワールド。文明の象徴であるイヤフォンの外側に、思いがけないオモシロが落ちているかもしれない。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?