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邦訳されてる有名ハリウッド脚本術の本:海外でのユーザー評価は?

ストーリー作りを学ぶための本を探しているなら、ここで紹介する5冊はチェックしておきたい。こういった本、アメリカでの評判は実際のところどうなのかと思い海外のレビューを調べてみた。
邦訳だと難解に思える本もあるが、翻訳の問題もあると思うし、アメリカでも評判が高いならば、読む価値も高いと考えたからだ。
ということで、クリストファー・ボグラー、シド・フィールド、リンダ・シガー、ブレイク・スナイダー、そしてロバート・マッキーの作品から、それぞれの特徴とレビューをまとめてみた。
自分のレベルや目的に合わせて、ピッタリの一冊を見つけよう。



クリストファー・ボグラーの「作家の旅 ライターズ・ジャーニー 神話の法則で読み解く物語の構造」

原題:「The Writer's Journey - 25th Anniversary Edition: Mythic Structure for Writers」

ポジティブな評価

  • 読みやすさと実用性が高く、具体例も豊富で実践的なガイドとして優れている。

  • ジョセフ・キャンベルの「ヒーローズ・ジャーニー」を基に、物語の基本構造を学ぶのに最適。初心者や中級者に特にオススメ。

  • 読むことで創作意欲が湧き、モチベーションが上がるという声も多い。

ネガティブな評価

  • 内容が繰り返しで、同じポイントを何度も説明していると感じる人もいる。

  • 既に物語構造を理解している人には、新しい発見が少ないかもしれない。

おすすめポイント

  • 初心者に非常にオススメ。物語の基本をしっかり学べる。

  • ヒーローズ・ジャーニーを深く理解したい人には特に有益。



クリストファー・ボグラーとデビッド・ハワードの「面白い物語の法則〈上〉 強い物語とキャラを作れるハリウッド式創作術 (角川新書)」(上下巻)

原題:Memo from the Story Department: Secrets of Structure and Character

ポジティブな評価

  • 物語構造とキャラクターに関する詳細な分析が豊富で、特に物語作りに真剣な人に役立つ。

  • ボグラーとハワードの専門的な視点とアドバイスが実践的で参考になる。

ネガティブな評価

  • 内容が難解で専門的すぎるため、初心者には理解しにくいと感じる人が多い。

  • 理論中心で、具体的なアドバイスや実践例が少ないので、実際にすぐ役立てるのが難しいという声も。

おすすめポイント

  • 初心者にはやや難しいが、既に物語構造についての基礎知識を持っている人に有益。

  • 深い分析を求める人に最適。

  • 自分が読んだときは読みにくい上に難解で途中で挫折



シド・フィールドの「映画を書くためにあなたがしなくてはならないこと シド・フィールドの脚本術」

原題:「Screenplay: The Foundations of Screenwriting」

ポジティブな評価

  • 脚本執筆の基本を学ぶための完璧な入門書。特に三幕構成の重要性をしっかり理解できる。

  • 映画の具体例を多用して説明しており、理論の実践が理解しやすい。

ネガティブな評価

  • 内容が古典的で、現代の映画制作には適用しにくいと感じる人もいる。

  • 既に脚本の基礎を理解している人には、新しい情報が少ないという声も。

日本のレビュー

  • 翻訳がやや難解で、特に初心者には取っ付きにくいとの指摘が多い。

  • たしかに難解で二回は読まないと理解が難しいかもしれない。

  • だが基本的なことは大体載っている。

  • ウェブサイトなどでわかりやすく解説しているサイトを読んでからこの本に挑んだ方が良いかも

おすすめポイント

  • 脚本執筆を始めたばかりの人や、三幕構成をしっかり理解したい人に非常にオススメ。

  • 基本をしっかり学びたい初心者には最適。


リンダ・シガーの「ハリウッド・リライティング・バイブル」(絶版)

原題:「Making a Good Script Great」

ポジティブな評価

  • リライト(再構築)の重要性を強調し、具体的なアドバイスが豊富。

  • キャラクターの深掘りやプロットの強化に関するアドバイスが非常に役立つ。

ネガティブな評価

  • 内容が詳細すぎて初心者には少し難しいと感じることがある。

  • 完成した脚本をリライトするための本なので、初心者向けではないという声も。

おすすめポイント

  • 既に脚本を書いたことがある人や、リライトやキャラクター開発を深めたい人に最適。

  • 基本を理解した後の次のステップとして非常に有益。

  • 何度か脚本を書いてからじゃないと理解が難しい。初心者の頃に読んだ時はさっぱりだったが、数本書いた後に読んだら目からうろこが落ちまくってとても感銘を受けた



ブレイク・スナイダーの「SAVE THE CATの法則 本当に売れる脚本術」

原題:「Save the Cat!: The Last Book on Screenwriting You'll Ever Need」

ポジティブな評価

  • スナイダーの「ビートシート」フォーマットが非常に使いやすく、ストーリーテリングの基本構造を具体的な形式で提供。

  • 非常に分かりやすく、初心者にも理解しやすい。ユーモラスな文体も人気。

ネガティブな評価

  • 方法がパターン化されすぎて、創造性を制限すると感じる人もいる。

  • 主にハリウッドの商業映画に焦点を当てているため、独立系映画やアート映画には適さない場合も。

おすすめポイント

  • 商業映画やエンターテインメント向けの脚本を書きたい人、ストーリーの基本構造をしっかり学びたい人に非常にオススメ。

  • 初心者に最適な一冊。

  • これはマジでわかりやすい。

  • が、ブレイクスナイダービートシートは信用あるツールが故に枠にはめようとする力が強い。これに振り回されると書けなくなる人もいる。



ロバート・マッキーの「ストーリー」

原題:「Story: Style, Structure, Substance, and the Principles of Screenwriting」

ポジティブな評価

  • 非常に詳細で深い分析が豊富。物語構造や脚本の原理原則をしっかり学べる。

  • 読者からは、物語の構築に対する洞察が非常に役立つと高く評価されている。

ネガティブな評価

  • 内容が非常に濃密で、一度読んだだけでは理解が難しいとの声も多い。

  • 理解するためには何度も読み返す必要があるが、その価値は十分にある。

おすすめポイント

  • 既に脚本や物語の基本を理解している人にとって、さらに深い知識を得るために最適。

  • 二回は読む覚悟が必要だが、物語作りを本格的に学びたい人には非常に有益。一回目は結構わからなかったが二回目は色々と腑に落ちた。

  • これも物語を一度は書いたことのある人向けかも?

  • 私は3回読んで大事なところを自分の勉強メモにまとめたくらい参考になる本だった



総合評価

初心者に特にオススメな本

  • ブレイク・スナイダーの「Save the Cat!: The Last Book on Screenwriting You'll Ever Need」(「SAVE THE CATの法則 本当に売れる脚本術」)

難解ながら必読本

  • シド・フィールドの「Screenplay: The Foundations of Screenwriting」(「映画を書くためにあなたがしなければならないこと」)

既に基本を理解している読者にオススメな本

  • リンダ・シガーの「ハリウッド・リライティング・バイブル」(絶版)」

  • だが絶版。

クリストファー・ボグラーの本の比較

  • 「作家の旅 ライターズ・ジャーニー 神話の法則で読み解く物語の構造」: 読みやすく、初心者や中級者に推奨。ヒーローズ・ジャーニーを学ぶのに最適。

  • 「面白い物語の法則〈上〉 強い物語とキャラを作れるハリウッド式創作術 (角川新書)」(上下巻)」: 詳細な分析と専門的なアドバイスが豊富。既に基礎知識を持っている読者向け。

ロバート・マッキーの「Story」について

  • 二回読む覚悟が必要なほどの濃密な内容だが、物語作りを本格的に学びたい人には非常に有益。

  • ある程度シナリオを書き、さらにスキルを向上させたい人には非常に有益な本。

  • だがかなり本気で読み込む覚悟は必要。その分、得られるものは大きい。

まとめ

私にとってはリンダ・シガーの「ハリウッド・リライティング・バイブル」とロバート・マッキー「ストーリー」は、【ある程度物語が書ける段階】から【安定して面白い物語を書ける段階】【脚本で行き詰まった時にブレイクスルーする手段が思いつきやすい段階】にまで引き上げてくれた本。
「SAVE THE CATの法則」は初心者の頃、これまで、色々ハリウッド脚本術を読んでもちんぷんかんぷんだったのにこれはわかりやすい!と感動した本だった。

ストーリー作りの教科書選びの参考にして、自分のレベルやニーズに合った一冊を見つけてみて!効率的にスキルを向上させて、素晴らしい物語を作り上げよう。


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