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中国の山奥に「種子銀行」というところがあるのは知っていますか?

太行山脈の奥深く、山の麓から頂上まで棚田が幾重にも連なり、壮大な模様を描いています。これは、国連世界食糧計画の専門家に「中国の第2の長城」、「地球上の驚くべき奇跡」と呼ばれている河北省涉県の乾地農業棚田システムです。

王金荘は太行山脈の奥地にあり、数百年来、村人たちは生きるために石や堰を切り、土を覆って農業を行い、独特の段々畑の文化を形成してきました。王金荘棚田を中心とする乾地農業棚田システムは、2014年に中国重要農業文化遺産第2陣に認定され、2019年には世界重要農業文化遺産予備群に登録されました。

近年、王金荘は伝統作物の保護に力を注ぎ、農業の生物多様性をしっかりと保護するため、村には「種子銀行」を開設し、地元の伝統的な75種類の作物、180種類以上の種子資源を収集・保存しています。
「種子銀行」は生きた状態で保存する方法を採用しており、つまり、定期的に種子を取り替えて畑に植えているのです。一般的な作物は2年に1回、特殊な品種は1年に1回と更新しています。

図2

「種子銀行」を作った当初の意図について、涉県農業農村局の高級農学者である賀献林は、山間部の若者は出稼ぎ労働者が多く、家で農業をする人が少なくなり、多くの古い品種が一時失われる危機に瀕していると紹介しました。

2018年より、涉県乾地農業棚田保存および利用協会では、王金荘村でボランティアチームを設置し、王金庄で栽培されている古い品種の調査・収集に取り組んでいました。当初は協力者がいなかったり、古い品種がなかなか集まらなかったり、集めた古い品種の中には活力が弱く、植え替えのために発芽させることができないものもありました。その後、大々的な宣伝活動により、徐々に世間に受け入れられていて、試験田んぼで植えた古い品種を鑑定したり、古い品種を純化したり、専門家や教授を招いて品質鑑定を行ったり、伝統品種の保護と利用は良い成果を上げました。

現在、「種子銀行」は村民に種子を提供するだけでなく、技術指導も行い、地元の電子商取引と連携して棚田農産物の販路を広げ、農民の食糧生産への熱意を結集しています。過去に放棄された2000ムー以上の棚田には作物が植えられ、まさに棚田を緑に変えているのです。村人によると、グリーンエコロジーの利点を生かして、地元で生産した棚田アワ、コーングリッツ、コショウなどをすでに「ネット人気商品」となり、全国に販売しているそうです。

参考:
https://new.qq.com/omn/20220224/20220224A02ML700.html
http://www.fjlcnews.com/lyxw/106579.html
http://www.stdaily.com/index/kejixinwen/2021-10/17/content_1226174.shtml


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