【漢詩⑮】風が春をかたちづくる《咏柳》

碧玉粧成一樹高,
万条垂下緑丝绦。
不知細葉誰裁出,
二月春風似剪刀。

賀知章(唐)《咏柳》

 初春の歌、ぎりぎり滑り込みでしょうか。先週は一気に暖かくなったのですが、今秋また寒さがすこしぶり返しています。

 この歌はヤナギを題材にして、春を詠んでいる歌ですね。碧玉で着飾ったような万条のヤナギの枝が下がっている。この美しい新緑の枝を誰が切り出したのか。二月の春風だろう。春風を剪刀=ハサミのようだと例えているのが美しいですね。

丝绦は繁体字だと絲縧になるみたいなのですが、なじみがないですね。糸をよってつくった紐だということです。

 やなぎ、春の代名詞ですかね。《钱塘湖春行》にも緑楊陰里白堤とありました。

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