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江戸前エルフを語る#3

江戸前エルフを語る。今回は第3話。御神体ラジオですっかり有名になったお取り寄せ様と江戸前エルフ屈指の神回、巫女継承の儀の話。

・オープニング
オープニング主題歌は「奇縁ロマンス」。ナナヲアカリさんの透き通った芯のあるお声が素敵。歌い出しの「運命の」から心を持っていかれた。
和楽器を多用しており、ミドルチューンな曲調に不思議とマッチする。個人的には冒頭のギターのリフが好き。
いずれエンディング主題歌とムービーと合わせて語ろうと思っているが、OPとEDはどちらも細部までクオリティが非常に高く、いろんな解釈ができると思っている。
YouTubeに上がっているので、ぜひ実際に映像を見てほしいと思う。

・Aパート
「私だったら肉がいい。すっごくいい肉っ!」
ここの言い方が気合が入っていて好き。ちなみに、御神体ラジオでは尾崎さんが誕生日プレゼントで食べ物専用?ギフトカタログを貰い、高級なハンバーグをお取り寄せされていた。

お取り寄せ祭り
エルダが念願の芋蜜の金時ムースプリンをお取り寄せ。アイスを買ってきた小糸といろんなお取り寄せやお菓子ストックを食べ尽くす。前回のもんじゃに引き続き、飯テロパート。

「歩いて江戸に入ったんだ、ゾウ」
江戸時代に象が舶来品として日本に持ち込まれたことを語るエルダ。「入ったんだゾウ」原作の表現ママだが、小清水さんがあえて一拍置いて「ゾウ」で切ることで原作よりもダジャレ感を出していた気がした。

「400年間成長してないのか…」
江戸時代もお賽銭前借りしていたエルダに小糸からのツッコミ。同じようなことをハイラの巫女いすずもつっこんでいた気がする。江戸前エルフを含め、一癖二癖あるエルフを描きたがる作品が多くなっている印象。

「「お取り寄せ様にかんぱーい!」」
暴食の御神体と巫女の爆誕。二人で乾杯するシーンが本当に嬉しそうで楽しそうで、なんだかんだ江戸前エルフで一番好きなシーンかもしれない。ちなみにエンディングでも使われている。
食べ物を美味しそうに頬張りながら話す小糸の表情はマンガ、アニメともに好きな絵。
この後夕飯が入らなくなり小柚子に静かに怒られているが、最終話でもエルダと小糸と小柚子がおみくじを引いて盛り上がり、最後は爺ちゃん(菊次郎)に怒られていた。

・Bパート
巫女継承の儀を執り行うために、提灯の灯る月島町内を巡る小糸とエルダ。二人だけの夜、静かに語りながらねり歩き、絆を深めていく。

「この継承の儀は私にとっても大事なものなんだ、必ずやり遂げてみせる」
珍しくやる気を見せるエルダに驚き、ちょっと嬉しくなる小糸。この後その真相が明らかになるが…

提灯のうんちく
魚油と再生油を使って提灯の灯りを作っていたといううんちく。個人的にこの知識は初めて知った。作者の樋口彰彦先生の江戸の文化に対する知識量がすごい。

高耳さまの唄
氏子の皆様が高耳様の唄を歌う。夜の静寂に響く唄がとても幻想的。コミックス第8巻では歌詞全文が掲載されている。

月島一丁目のセブンイレブン
神事のゴール。周辺の風景も、このセブンイレブンの外観もほぼ完全再現している。原作、アニメの月島に対する解像度の高さが分かるシーン。

「小夜子と同じカップ麺食べてる、小糸」
「え?お母さんと?」
「…うん」
アニメ江戸前エルフ屈指の名シーン。
小糸のお母さんのことを小糸の前で初めて小夜子と言った瞬間。その語り口はとても穏やかで優しい。嬉しいような、少し切ないような。
400年間生きて来て、人生すっかり達観しきっていても不思議ではないけど、エルダにはその時代、その代の巫女、その時の月島の人々にきちんと心から向き合う心根の温かさがある。そこがエルダの1番の魅力だと思う。
そしてこんなエルダの心情を、本当に微妙な声のさじ加減で絶妙に表現されている小清水さんの名演よ…

「徳川家康のこととか、お母さんのこととか、聞きたいことがいくつか浮かんできたけど、なんか今がちょっと心地良かったから、聞くのはやめておいた」
小糸のエルダに対する思いやり、愛情がこの一言に表れている。エルダと一緒にいるこの瞬間を大事にしたい、という強い願いが、エルダと小糸の物語の原動力になっている。噛み締めるように、決意を固めるように、小さくでもしっかりと話す尾崎さんの演技がすっごく良い。

巫女継承の儀が終わり、二人でラーメンを食べてひと息入れるところでEDへ。エンディングムービーと相まって最高の余韻を感じさせる。


小清水さんが御神体ラジオで第3話までは導入だという話をしていたが、巫女継承の儀を経て、本当にエルダと小糸の御神体巫女バディが成立した感はある。高耳様の唄、ピアノソロ、場面を盛り上げる劇伴も秀逸。何度も繰り返し観たい。

エンディングが終わった後に第4話への次回予告が入る珍しい回。
大阪の廣耳神社、御神体ヨルデと巫女向日葵が登場する。詳細は次回に譲るが、釘宮さんのヨルデが漫画からハマり役すぎて、リアタイ視聴した時に変な声が出てしまった。金沢の御神体とともに3人のエルフと巫女のキャスティングは完璧と言わざるを得ない。 
裏で流れる新喜劇っぽい劇伴も好き。次回への期待が高まる予告。

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