ヤマノススメとゆるキャンのゆるい考察

先日の映画ゆるキャン1年イベントで第3期の制作陣がC-Stationからエイトビットに代わることが発表された。
新しい監督はアニメ「ヤマノススメ next summit」で演出を務めた登坂晋氏になり、京極監督とともに第3期へのコメントが寄せられた。
私はヤマノススメは名前だけ知っていたが、今回の発表を受けてきちんとアニメを観てみた。ちなみに、エイトビットはヤマノススメの制作会社である。
ヤマノススメを見てみた上で、ゆるキャンとの比較など、思いつくことを挙げてみたいと思う。

ゆるキャンもヤマノススメも、キャンプと登山と、テーマは違うがアウトドアという同じ括りの中の話である。
両作品とも緻密なロケーション、丁寧な作画、魅力的な音楽、声優陣の力量など、クオリティの高さに定評がある。アニメの放映を機に、舞台となった街では関連イベントが多数開催され、キャンプや登山ブームの火付け役にもなった。
基本的にゆったりと時間軸が進み、平和な日常の中の出来事が丁寧に描かれながら物語が進んでいく。
それが両作品の共通点であり、1番の魅力であると思う。

似ていることの多い二つの作品だが、違うところもある。
ヤマノススメは、成長が大きなテーマである。
最初の富士登山で高山病になってしまい、大きな挫折を経験するあおい。登山の経験も積み、アルバイトも始め、成長していくあおいを見て友達として嫉妬心や寂しさを感じ、心が葛藤するひなた。楽しいだけではない、苦しさやもどかしさもさらけだして、その先にある達成感や喜びを観ている人と一緒に味わえるのがヤマノススメの大きな魅力である。
一方、ゆるキャンは大切な人と過ごすかけがえのない時間、自分の心が豊かになる時間としてなでしこたちがキャンプしている様子を観ている人と一緒に共有できることが1番の魅力である。また、キャラクターの持つ面白さ、小ネタの豊富さも見どころの一つである。
私なりにヤマノススメは等身大の高校生の目線で、ゆるキャンはもう少し大人の視線でキャラクターが描かれているように感じる。原作ではそこまで感じていない点だが、アニメ化するにあたって、先程話したヤマノススメの成長や、ゆるキャンの空気感は制作サイドで強調されているのかもしれない。
それぞれにオリジナリティがあるからこそ長く愛される作品になっている訳だが、こうして似ている点、違う点を比較してみるとそれぞれの良いところが再発見できて、より作品を楽しめるようになると思った。

ゆるキャンは3期が着々と進行し、ヤマノススメは原作のストックも溜まっている。二つの作品がこれからも続いていくことをファンとして楽しみに応援し続けていくつもりである。

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