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経産省選定のDX銘柄企業の価値(株価)は本当に向上しているのか?調べてみた。

「DX(デジタルトランスフォーメーション)」という単語が一般的になってきた今日この頃ですが、企業価値の向上にきちんと寄与しているのでしょうか?

投資目線で、経済産業省が毎年発表している「DX銘柄」該当企業の株価騰落率を調べてみました。

そもそも「DX銘柄」って何?

経済産業省が発表している選定基準は以下の通りです。

東京証券取引所に上場している企業の中から、企業価値の向上につながるデジタルトランスフォーメーション(DX)※を推進するための仕組みを社内に構築し、優れたデジタル活用の実績が表れている企業を「DX銘柄」として、業種区分ごとに選定して紹介するものです。DXを推進している企業は、単に優れた情報システムの導入、データの利活用をするにとどまらず、デジタル技術を前提としたビジネスモデルそのものの変革及び経営の変革に果敢にチャレンジし続けている企業であり、当該企業のさらなる活躍を期待するものです。

詳細はこちらのリンクよりご確認ください。

2020年の選定銘柄一覧

今年の選定銘柄は以下の通りです。小松製作所トラスコ中山の2社が「DXグランプリ2020」を受賞しました。

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5年連続選定企業の株価騰落率

2020年に選定された銘柄のうち、2016年から5年連続で選定されている銘柄は、アサヒグループ、ブリヂストン、JFEホールディングス、東日本旅客鉄道(JR東日本)、Zホールディングス(ヤフー)、日本瓦斯(ニチガス)、東京センチュリーの僅か7社です。2016年1月4日から2020年12月1日までの株価暴落率を調べてみます。

気になる結果は・・・

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上昇していたのは7社中4社。平均騰落率は14.0%とそこそこの結果とも思えますが、日経平均株価の騰落率を上回っていたのは僅か2社・・・ちょっとしょっぱい結果となってしまいました。

2年連続選定企業の株価騰落率

5年連続選定企業の結果がややしょっぱいものとなってしまったので、2020年・2019年と、2年以上連続で選定されている銘柄の株価騰落率も調べてみました。こちらは上記の7社に加えて、ユニ・チャーム、ENEOSホールディングス、小松製作所、富士通、大日本印刷、大和証券、三菱地所、ディー・エヌ・エーの8社の合計15社。期間は2019年1月4日から2020年12月1日までに設定。その結果は・・・

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上昇していたのは15社中8社。平均騰落率は17.0%で、日経平均株価の騰落率を上回っていたのが4社という結果でした。5年連続選定企業で調べた時よりも、期間が短いにも関わず優秀な結果となってしまいました。

まとめ

選定された多くは大企業や成熟産業であったこともあり、個人的には少し物足りない結果になってしまったなと・・・

業種別の成長率や新型コロナによる影響も鑑みて評価すれば、もう少し高い評価もできるかもしれません。

ただ、騰落率で考えると、単純に日経平均株価に連動するETFなどを買ったほうが儲かってましたね。期間を5年弱から2年弱に縮めたほうが株を購入した際のリターンが大きいのも、ある意味、水物のDX銘柄らしいのかもしれません。

残念!!

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