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Instrument Ratingの訓練費用試算目より大切な事 パート②

Instrument Ratingの訓練費用試算目より大切な事パート①ではプライベートパイロットで習得した技術をマスターしたくないですか?という視点が大切ですというお話をしました。今回は空の世界を楽しんでみませんか?というお話をします。

Instrument Ratingの訓練費用試算目より大切な事パート①でも書きましたが、Part 61での必要とされる飛行経験をもう一度解説してみたいと思います。

・機長としての野外飛行を50時間

・計器飛行時間を40時間

・訓練時間は15時間

組み合わせることができる飛行時間の種類

これらを組み合わせることが可能なのです。アメリカでは教官と同乗訓練を受けて飛行している場合、機長時間と同乗時間が同時につきます。教官同乗であればView Limiting Deviceを装着して計器飛行時間をつけることもできます。機長としての野外飛行と訓練時間を同時に、教官との訓練時間もつけることもできるのです。

計器時間をつけるためには教官でなくとも、Safety Pilotを隣に乗せて実施することも可能です。この場合機長としての野外飛行時間と計器飛行時間をつけることもできます。この二つが一回のフライトで同じ時間になることはありません。なぜなら計器飛行時間とはView Limiting Deviceを装着して景気のみで飛行する時間であって、地上滑走や離陸着陸、離着陸伴うトラフィックパターンにおいてはView Limiting Deviceを装着しているはずがないからです。

これらの方法はアメリカの航空法で定められてる国が認めた合法的な方法です。

これが日本だとできないのですが、私は国内での事業用訓練の時にLogbookを確認した際に、教官から日本の航空局では認められていないと指摘され修正印を押して修正、つまり機長時間が一気に減らされた記憶があります。これは正直今でも納得できないことです。アメリカで合法的に認められた時間を消されたのです。お金と時間をかけて積み上げた時間をです。別紙を作成して印鑑でもなんでも押して国内ではこの時間となりますという方法はなかったのでしょうか。これも日本独特の前例踏襲主義からきているのでしょう。大昔からそのやり方でやっているから誰も文句を言わずやり続けている悪い例でしょう。

できるだけ教官とのフライトを実施する

Part 141では訓練時間が最低35時間と規定されている話はパート1で書いた通りです。折角の資金と時間を使っての自己投資のパイロット留学です。できるだけ教官からのインストラクションを増やしましょうと話はプライベートパイロット訓練コストはいくらか?で書いた通りです。

Part 61で規定している15時間で計器飛行をマスターできるかというと断言します。

無理です。

理由はこうです。教官同乗の訓練飛行として250マイルの長距離野外飛行も入っています。速度と距離だけ見てもすでに2時間以上ですが、実際のフライトは計器のアプローチ方式に従って飛ぶので3~4時間くらいはかかってしまいます。すでに残りの時間12時間ちょっとです。

Compliance with ATC

Holding Procedures

Recovery from Unusual Flight Attitudes

Intercepting and Tracking Navigational Systems and Arcs

Departures, En Route, and Arrival Procedures

Non Precision Approach

Precision Approach

Missed Approach

Circling Approach

これら計器飛行方式でできなくてはいけない実地試験の項目です。ただ単純にView Limiting Deviceを装着して基本計器飛行ができるだけなら15時間もあれば十分ですが、その飛行技術の上にこれらの項目ができないといけないのです。有視界飛行の離着陸のように5〜6分もあれば1回の離陸と1回の着陸が練習できるわけではなく、設定された方式で飛んでやっと1回のアプローチができるのがおよそ15分。しかもアプローチの種類もいくつもある。1時間飛んでも4回もできればラッキーでしょう。これについてはなぜフライトシミュレーター?パート1でも書いています。

それぞれ一回でマスターできるスーパーマンがいれば最低時間の15時間でも可能でしょうが、通常は無理です。

なのでPart 141が規定する35時間を目指してお金と時間をかけましょう。

空の世界を楽しんでみませんか

冒頭に戻ります。野外飛行が50時間も要求されているのです。ここを楽しまないなんてもったいない。アメリカには5,000以上のパブリック空港と14,000以上のプライベート空港があると報告されています。

自分が訓練するベース周辺にも多くの空港、少し足を伸ばせばもっとたくさんの空港があるはずです。空港に併設されているレストランやショップ、航空博物館がある空港も多くあります。レンタカーを借りれば少し走らせると観光名所にもいくことができます。

これが飛行機の醍醐味じゃないですか

玉那覇はベースが南カリフォルニアだったのですが、ちょっと遠出して行ける場所を巡りました。ラスベガスでカジノで遊び、グランドキャニオンやヨセミテ公園などアメリカの大地に感動し、サンフランシスコでの観光など。近場ではOne Hundred Hamburgerと言われる空港併設のレストラン目当てにBreakfast、Lunch、Dinnerとあちこちの空港を飛びまわりました。

この世界を知らずして訓練だけで終わるなんて、毎日同じ定食だけで終わる人生と同じです。

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