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パイロット資格に必要な勉強量は?て聞かれたので

知識と技術の両面で勉強しなければなりませんが、何を勉強するのかはテキストや問題集を見れば一目瞭然です。

しかしその量をこなすのにどれくらいの時間が必要なのかを提示した情報がないのでここでまとめてみたいと思います。

大学のクラスであればどのくらい勉強が必要なのか?英語で全て理解するにはどれくらいの追加が必要なのか?という視点で考えてみたいと思います。

FAA Pilot's Handbook of Aeronautical Knowledge

FAAから無料でPFDがダウンロードできます。航空知識のまとめがここから学ぶことができます。全部で17チャプターに分けられて説明解説が書かれています。

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Test

アメリカのテストプレップを提供している会社によって異なりますが、FAAテキストの内容を実際のテストに合わせて分類をしてテスト対策の問題集が発行されています。

ここではその中から一社の分類を紹介します。11チャプターに集約されています。

Introduction

Aerodynamics

Aircraft Systems

Flight Instruments

Regulations

Procedures and Airport Operations

Weather, Weather Services

Aircraft Performance

Enroute Flight

Navigation

Communication Procedures

もう一社の分類を紹介します。ここでは12チャプターに集約されています。

Discovering Aviation

Airplane Systems

Aerodynamic Principles

The Flight Environment

Communications and Flight Information

Meteorology for Pilots

Federal Aviation Regulations

Interpreting Weather Data

Airplane Performance

Navigation

Human Factors in Aviation

Flying Cross Country

これらをアメリカでは週末2日間の集中講座で実施するところもあります。11時間、15時間、20時間、24時間と各社様々な時間数を設定していますが、要は各科目で1〜2時間程度の授業しか設定されていないのです。この時間でこの内容が理解して合格できると思いますか?

無理です

授業の参加にはその準備や復習と宿題が前提としているのです。準備と復習は個人差がありますが、その量の考え方として大学の授業を例として考えてみます。なぜ大学の授業を例としてあげるかという理由は、航空大学などこれらに類似した科目を大学の一つの授業として設定されているからです。

そのほとんどが3単位として設定されているのが現状です。

その一つの科目を数ヶ月から半年という期間をかけて勉強しているのです。

大学履修授業の考え方

大学履修授業には単位制度が導入されています。年間2学期制のSemester制度の場合ですが、通常1単位が1週間に1時間の授業時間とされています。前述したように航空関連の科目は3単位として設定されていることから、1週間に3時間の授業時間が基本となっていることがわかります。大学の授業時間を90分とすると1週間に2回の授業という計算になります。

通常フルタイムの大学生は半年間のSemesterの中で5科目の授業を履修することが基本です。半年間で5科目とは、3単位の科目を5科目で15単位を履修する計算。1年間では30単位。4年間で120単位という一般的が4年制大学の学士号に必要な単位数となります。

1科目3時間の授業を5科目とは、5日間に15時間の授業を受ける計算になります。1回の授業時間が90分なので授業コマ数は10コマになります。つまり...

5日間で15時間の勉強だけ

そんなはずはありません(笑)大学側はそれに必要な準備・復習・宿題などのその他の時間を想定して設計しているのです。

毎回の授業のために平均何時間費やすと5日間で合計何時間になるのかをみてみましょう。

毎回2時間とすると、2時間x10コマ=20時間、授業15時間+その他20時間=35時間

毎回3時間とすると、3時間x10コマ=30時間、授業15時間+その他30時間=45時間

大学側はフルタイムの学生を週に35~45時間の時間をかけて勉強すると想定しているのです。これは一般社会人の仕事時間と同じ時間になります。

この例はSemesterに5科目を履修する計画です。前述したようにFAAテキストを集約した問題集では11~12チャプターでした。これらを大学と同じような考えで勉強すると1年以上かかる計算になります。

目標を選択式の学科試験に合格するためであれば半年もかからないことでしょう。選択肢の答えを覚えてしまえば数ヶ月でも終わることでしょう。

ここで1年以上かかる計算というのは大学レベルと同様、レポートを書いて、ディスカッションができて、試験に合格するレベルです。これはFAA実地試験において求められるものと大差ないはずです。

そんな時間をかけず手っ取り早く学科試験だけ合格して、後々オーラル試験で苦労するハメになるか、そのオーラル試験も試験官が聞きそうな質問だけを準備してとりあえず合格して、実フライトで苦労(苦労で済めばいいが事故になってしまうと....)するか。

これらの数字は英語で書かれたテキストを英語で話す講師の言葉を理解して、英語でディスカッションができる人を前提として出したものです。

英語を母国語としない人たちがアメリカの大学に進学する時に必要な英語力がないと授業を受けられないのと同じ感覚で、しっかり英語対策と、その上で航空講座を受ける時の時間対策をしておきましょう。

想像以上に勉強する量が多くて途中で脱落する例(9番目の事例)を以前は紹介しました。

脅かすつもりではありませんが、本当にフライトより地上で勉強する量が膨大にあるのがパイロット訓練なのです。特に大変なのが最初の資格です。その後は少しずつ慣れてきていること、分量が減ってくることから、そこまでの負担感はないと思っていいです。

事前に知っておいてしっかり準備しておくこと。そうして渡米後にゆとりを持って訓練に臨む。そして滞在期間を短くして総費用を圧縮する。

日本国内で日本人から日本語でしっかり学ぶことも理解度を深める意味ではいいでしょう。ベストは日本語と英語を混ぜて準備することでしょう。

FSOパイロットクラブでは教えることが学ぶこととしてお互いに効率的にしかも無料で学ぶ環境を整えています。




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