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有限の、過ぎゆく時間

何らかの「悪しきもの」があって、それを批判しさえすればそこから無限にリソースを引き出せる、という考え方は、一般に、問題の解決を遠ざける。

そのような考え方の持ち主は、問題解決に向けてコミットしようとする者を、「問題解決に関心を奪われて、問題が発生する構造を放置している」「問題解決というが、実は偽の問題を解かされている」「結果的に「悪しきもの」の延命に寄与している」と批判するのが通例である。

一部の、無時間性の中に生きている人間を除いて、我々は有限の、過ぎゆく時間の中に生きている。前述の「批判」のようなことは指摘されるまでもなく、我々は先刻承知の上で、それも含めて、有限の、過ぎゆく時間をどう生きるかという問題と格闘している。

メタな議論は、往々にしてメタな視点を取ることで精一杯で、メタな議論が有限の時間の中でどのように位置づけられるかという、更にメタな視点を持ち得ない。

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