見出し画像

MTAの考察



MTAというキングストントリオのヒット曲があります。カバーバンドの定番で勿論私たちも持ちネタなんですが、内容はと言うと、チャーリーという男がボストンの地下鉄に初乗り運賃で乗って(出口精算システム)値上を知らずに降りる駅で「あと5セント」と言われて地下鉄から出れなくなって延々と乗り続けることになってしまい、奥さんが毎日サンドイッチを窓から手渡す羽目になった・・という曲です。

市会議員選挙で「値上げ反対派の候補者に投票しましょう」と呼び掛けたPRソングでしたが、キングストントリオは元々「政治的なことに巻き込まれたく無い」という立場から、候補者の名前を変えて歌ったりしていましたが、実際のところ其の候補者は落選したそうなんですね・・笑笑

Charlie handed in his dime at the Kendall Square station
And he changed for Jamaica Plain
When he got there the conductor told him, "One more nickel"
Charlie couldn't get off of that train!

歌詞に出て来る地名を探してみたところ、先ずチャーリーが乗った「Kendall Square駅」はレッドライン上で見つかりました。MITのメディア・ラボから近くて、元々ボストンは文教都市ですが都心にも近い好立地です。この駅に近い所に住んでいるとはチャーリー氏も中流以上の収入があった筈だと推測されます♪

Kendall Squar Station

「He changed for Jamaica Plain」ということで乗り換えた訳ですが、おそらくPark Street駅でグリーンラインに乗って南西方向に向かったのだと推測されます。Jamaica Plainという駅は無くて市街地の南西エリアに広がるエリアの名称なので、その方向に向かったのでしょう。ちなみに従兄弟がRoxburyに居るということが歌詞にも出て来ますから訪ねるとしたら方向的には合ってます。しかし此の線の何処かの駅で駅員に「あと5セント」と言われたチャーリー氏は逆方向に向かって乗り続けることになります。

現在のMBTA路線図

「Charlie's wife goes down to the Scollay Square station
Every day at quarter past two
And through the open window she hands Charlie a sandwich
As the train comes rumblin' through!」

奥様が毎日サンドイッチを窓からチャーリーに渡したのは「Scollay Square Station」と歌われていましたが、現在では駅の名前が変わっていて「Government Center」になっています。まさに街の中心地ですが、サンドイッチを渡すくらいなら5セント硬貨を渡した方が手っ取り早いんだけど・・帰って来て欲しくない理由があったのかもしれませんね・・・

Govermment Center Station


さて、余談ついでに・・

"What will become of me?
How can I afford to see my sister in Chelsea Or my cousin in Roxbury?"

とチャーリー氏が嘆く、妹が住んでたチェルシー地区は元々産業エリアで、フォーク界では珍重されるFairbanks Banjoの工場があったのだそうです。同社は1904年の火災で多額の負債を抱えてVega社に救済を求め、ついに会社を売却、後年になってロングネックバンジョーを製造し、それを使ってキングストン・トリオがこの曲を演奏することになるとは・・不思議な縁のボストンのお話でした♪♪

後にBeach Street に移転しますが

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?