心つづれおり〜13 宝塚BOYS〜

2007年初演。作り手の気持ちが伝わる作品でした。パンフレットもそのひとつ。表紙の装丁がこげ茶色の布張り、記念アルバムのような。キャスト写真もレトロなブロマイド風のとても素敵な1冊でした。

物語は、かつて宝塚歌劇団に男子部が存在したという実話を元に作られています。この事実は、舞台を観るまで知りませんでした。終戦まもない時代に誕生した男子部。時代背景や男子部の境遇が絡み合って、切なく胸の熱くなる物語でした。ストレートプレイでしたが、随所に宝塚にゆかりのある楽曲もあり、舞台ラストに男子部が大階段で披露するショーは圧巻で、ミュージカルのビッグナンバーを聴くような高揚感がありました。

観劇を続けていると、自分の知らなかった事実に出会います。また、物事の見方もひとつではないと気づかされます。書物や映画、芸術作品に触れることに似て、こうした出会いの記憶はかけがいのない宝物です。

宝塚BOYSも、私に宝物をくれた作品のひとつです。

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