見出し画像

Account aggregation 再び



始めに

 世の中に家計簿管理の記事は色々存在するが、金融資産管理の観点で纏めたものが意外に少ないので、作成。

 先ず、「家計簿」と「金融資産管理」 とは求められる機能が異なる。

 「家計簿」では日々の出納管理が中心であり、費目(食費とか光熱費)が充実しており、入力し易い事が求められる。
 「金融資産管理」では多種多様な金融資産の残高等を一括して取得、推移を分析しやすい事が求められる。

 上記の様に要求機能が異なるものを同一サービスで対応するのに無理があり、本記事は「金融資産管理」の観点で纏めている。
 webに溢れているまとめサイトみたいなblogは実運用をしておらずpage view稼ぎのものと思われる。実運用により得られた知見のみを記載している。(偏見ともいう)

今までの管理手法と課題等

(参考)家計簿


 10年程前からJumsoft Moneyを使用していたのだが、これはクレジットカードや電子マネーには当然対応しておらず、全て手動入力とする必要があった。また現金支払がポイント等で有利な支払先も多かった。

 csv等によるデータ連携に加えて「57か国で50,000以上のサービスと口座連携」とあるのだが海外製品であり日本国内のサービスには全く対応していない。よって、家計簿入力と(もし希望すれば)金融資産管理は全て手動入力が必要となっていた。


資産管理


 従来は表計算ソフトへの入力といったアナログ手法を用いていたのだが、手間が大きいのでaccount aggrigationサービスで省力化したいところであった。 
 現在の運用環境に移行する前は「みずほ銀行のアカウントアグリゲーション」(みずほマイレージクラブで使えた?)「MoneyLook」を使用していたのだが、サービス終了。


2024年時点の資産管理方法

 結論から言えば、PC/MacではMoneyfoward、スマートフォンでは野村証券のOne Stockが最良である。

Moneyfoward

 Moneyfowardは証券、fx、仮想通貨等を含めた広範囲な対応をしており、金融資産管理向けサービスなのであるが、表示、分析機能で問題がある。

 資産運用では、直ぐに各種支払や投資に回せる流動性資産(所謂生活防衛用のお金と言っても良い)、運用(運用中)資産とに分けて分析がしたい。 Moneyfowardでは資産内訳で流動性資産と言える費目が「預金・現金・暗号資産」となっている。一般的な感覚では値動きが無く、換金性の高いものが分類されるべきなのだが値動の激しい暗号資産、さらには外貨預金もここに分類されて集計される。同様に「債券」も円建てと外貨建てが一緒に集計されている。

OneStock

 OneStockは各種口座から情報取得するエンジンはMoneyfowardだが、取得情報を分類集計する部分は野村証券の設計と思われる。
 「(円)預金・MRF」「外貨預金・外貨MMF」「国内(個別)株式(除REIT)」「国内ETF」「国内REIT」「国内債券」「外国債券」「投資信託」「暗号資産」と国内/国外、株式/債券といった分類で集計される。また、「資産配分の状況」からMoneyfowardで問題となっている流動性資産/運用資産が一目で表示可能。この辺り流石証券会社と言うべきか。

 残念なのはスマートフォンアプリのみでPC/Macで使用できない点。また生活費等を入力する事で「資産寿命」(現在の生活費&金融資産から金融資産0になる年数を試算)を算出可能だが、生活費設定のパラメータが自動化され過ぎて当てにならない点。後者は使わないから良いのだが。


その他

 Moneytree,楽天銀行のマネーサポートが挙げられる。
 Moneytreeは証券口座対応が少なく実運用に耐えない。なお家計簿入力には向いている。
 マネーサポートはやる気があるのか?というレベルの酷さでサービス安楽死状態である。

終わりに

 MoneyfowardがOneStockと同様の資産分類が可能であれば一元化可能だが、謎分類は変更が見込めず併用が必要そうである。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?