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[フライト日記] ”私たち“という商品

またやってきました、情勢不安がすこーーーーーーし改善されたエクアドルからさやです。

今回は急に1日早く飛んで欲しいと会社から急遽電話がかかってきて、懇願され1日お休み返上で飛んできました。オーバーブッキングだったし、当日までパイロットも決定していない、バタバタの中集められたクルーで飛んできました(クルーのスケジュールを組むのって本当大変だよな、と毎度思います)

そんな急遽寄せ集め的なクルーで飛んできましたが、凄いいいメンバーで昨夜に限っては全員揃って夕飯を食べるというこれまた珍しく素敵な夜でした。(パーサーがお誕生日だったというのもあるけど)

大体疲れてるとか予定があるとかなんだかんだあって全員集まってというのはあまりないんです。

エクアドルでまさかのイタリアンレストランに行きましたが、店長はローマ出身、本場のイタリアの味でした🇮🇹

いろんな話をしていて、世界平和の話まで壮大にトピックが広がっていきます(笑)
そしてお決まりは自社への愛を語る(笑)
みんな、文句を言いながらも、結局自分の会社が好き。だから私も含め楽しく働けているんだなとも思いますが。


スタンダードなサービス、会社のルール、安全管理などはありますが、“サービス”というところではかなり人間味溢れる、その場限り、その人限りの融通さがあります。なので毎度その「サービス」があるわけではないのですが、「よい」「楽しい」ことであればそのフレキシブルさは大歓迎される会社です。

よくあるのは機内に乗ってる子供たちを巻き込んでのサービスです。
「お手伝いしたい!」っていう子がいたり、お客様と話してるなかで「お手伝いしてみる?」「CAさんやってみる?」みたいな流れから、子供たちに機内サービスの一部をお手伝いしてもらいます。

お菓子のクッキーを配ったり、飲み物を聞いてもらったりする簡単なお仕事です。

子供達はキラキラ目を輝かせながらお手伝いしてくれるし、他のお客さんも想定外のCAの登場に驚きながらも喜んでくれます。
もちろん保護者の方もずっとタブレットやスクリーンを見続けたりお菓子ばかり、長いフライトに飽きてる子供たちが少しの間でもそういう「退屈な時間」」から離れて活躍する様子をみるのは嬉しいようで、みんなが少しほっこり、楽しいと思える時間になります。

私も何度も子供達にお手伝いをしてもらったことがありますが、こちらも本当に楽しいです
一度、はじめは2人の子供がクッキーを配るお手伝いをしてくれたんですが、次から次へと立候補者が出てきて、最終的には10人くらいに!

その他にはぬりえ大会を開催したり、お誕生日を歌ってお祝いしたり、年末年始のカウントダウンを機内で盛大にやったり、楽しいフライトになりそうならこぞってやります。

昨日お誕生日だったパーサーが
「僕らの会社の飛行機はA380ではないし、最新でもないし、機内は狭いし、中東系の会社みたいになんでもあります!ってわけではないし、アジア系みたいにきっちりぴっちりサービスってわけでも、すごい美味しい機内食ってわけではないけどさ、うちの会社のウリは「僕たち」だよね」
「それが嫌だって人もいるのかもしれないけど、大半はみんなそれが良かった!また乗りたいって思ってもらえる理由になってるよね。実際そういう声が多いしね!僕はそれが本当に誇らしいし、やってて楽しい。今日で56歳になったけど、まだまだ辞めたいなんて思わない」って言ってました

本当にその通りで、クルーの平均年齢はかなり高めだし
化粧っ気もないし、おしゃれな感じでも、美人がいっぱいってわけでもないけど、
基本クルーはみんな楽しそうに働いてるし、お客さんにもクルーにもユーモアと優しさを持って接してるし。会社が提供する商品は大したことないけど、「自分たち」という存在にかなり誇りを持っているな、と。

日本からはオランダにしか飛んでいない航空会社ですが、ヨーロッパに行くときの候補の航空会社になるといいなぁと思っています。(オランダまできたら世界のどこにでも飛んでます)
現在は成田/関空路線ともに日本人CAが常に乗っているわけではないですが、楽しいオランダ流のフライトを楽しんでもらえると思うんです。

オランダ人ってドイツ人ほど真面目じゃないけどスペイン、イタリアのラテン系よりはしっかり仕事するし、好奇心が旺盛だから、何にでも興味持つ子供みたいな純粋さを持ちながらも、合理的に働くことが好き。
いろんなとこのいいとこどりをしているんではないかと、私は勝手にそう思っています。

とはいえ、腹立たしく思う時もありますがね。笑


というわけで、ぜひヨーロッパ旅行の際には青い色のオランダ行きの飛行機ご利用ください(いきなりの売り込み)
みなさまのご搭乗、乗務員一同心よりお待ち申し上げております。

それでは、また!Doei!



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