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[フライト日記] 短気増量説?

こんばんは、今朝ラスベガスからフライトで戻りました、さやです。

まだ夏休みが本格的に始まったわけでもないのに、空港も混んでるし、フライトもどの便も満席御礼状態です。
ラスベガスでアメリカン航空のクルーとたまたま話ましたが、アメリカの国内線も満席で忙しいと言っていました。

ラスベガスは初めて行きましたが、街全体がエンターテイメントパーク!そしてそれがフェイクなのにリアルなのが不思議で不思議でたまりませんでした。人を現実から遠く引き離す現実世界なんだな(異世界な感じがするけど)、そしてそこがラスベガスの魅力なんだなと思いました。

ヨーロッパの片田舎で暮らしている私には刺激が強めな世界でした。笑

flamingo hotel の近く

今は季節は夏。到着時の気温は46℃と報じられていました。ただ砂漠地帯にあるので、もちろん暑いですが、湿度がないからか私はそこまで汗をかくこともありませんでした(ってそこまで長く外にはいれませんが)

さてタイトルの「短気増量説」というのは機内でオランダ人クルーと話したトピックです。

機内は300-400人ほどの人がいるので、それは毎回ドラマが起こりえるわけですが(コメディードラマもサスペンスも、バイオレンス系も、根性系もラブドラマも、医療ドラマも)、コロナのパンデミックが終わり、こうして人々がフライトに戻ってきて、この「短気増量説」をみんな感じているのでした。
もちろん今までだって機内で怒り狂う人はいるわけですが、ニュースとか、SNSでも以前より(コロナ禍前より)増えたとは思いませんか?


今回も些細なことで急に怒り出した人がいました。旅慣れしてる方だと思うので、なぜあんなに怒り狂ったのかわかりません。

荷物の預けたタグの半券(バゲージクレームタグ)をどこかで無くしたみたい...というところから話はスタートです。
350人ほど乗る飛行機の搭乗を機内の責任者(シニアパーサー)と担当していました
飛行機入り口の「こんにちは係」です。

何気なくこんにちは、こんにちは!と挨拶していますが。一人一人のお客様の手荷物や挙動などもスキャンしている優しい顔の「警備員」なのです。
あとは万が一緊急脱出が必要になった時の入り口での「誘導係」でもあるので、このドアの担当者に「私の荷物重いから持ってって」とか「今お水飲みたいの」とか頼まれたとしても、ドアを離れることが許されません。(必ず1人はドアにいなくてはなりません)
(はるか昔に上記の事情でお手伝いできなくて、怒鳴られたことあり、怒鳴られても残りの400名の命に関わる事態を防ぐためにもドアから動きません)

そしてこの「バゲージタグ....」というおじさんがシニアパーサーに問いかけました。

👮「わかりました。地上職員がドアの付近にまた必ずくるので、その時に
事情を説明して、バッグのタグの番号を教えてもらいますね。なので少々お待ちください」

と伝えると

👨「ないと困るんだよ。」

と言います。

👮「わかってますよ。だから必ず(グランドスタッフに)聞きますからお席でお待ちください。お座席番号は何ですか?」

と聞いて、このお客様のチケットを受け取り座席番号とお名前を確認していました。

👨「いや、今やってほしい!」(わがまま)
👨「ちょっとその地上の人に今電話とかで聞けないの?」(私たちにとってラスベガスの空港は外地にあたるので、トランシーバーのようなものもグランドスタッフにすぐ繋がる電話もありません)

私はその話をチラチラ聞いていながら、他のお客様のこんにちは係をしていました。

するとシニアパーサーが
👮「今はできません。お待ちください」(上記の理由からできないわけなんですが、細かく説明してる時間もありません)
というと


本当にそのセリフを聞いた瞬間
沸点に達して、シニアパーサーから乱暴に自分のチケットをぶん取り、
👨「何なんだよ、役立たず!」
みたいなことを言いながら自分の席に戻りだしました。効果音をつけるなら、まさに「ドシドシドシドシ!」「プンプン😡」です。

その沸点に達するまでの速さに私もシニアパーサーも一瞬何が起こった?状態になりましたが、すぐにシニアパーサーは「Sir! Sir! (お客様!お客様!)」と言って「さや、ちょっとドアを離れるね!ドア頼むよ」と残し追いかけて行きました。

あんなに早く沸点に達するのを初めて見ました。
確かにタグの半券を無くしてしまったのは、困ることだし、本人にとっては大問題なのもわかります。
ただ私たちは自分たちができる範囲ですぐに対処しようと考えています(例えばパスポートと無くした!と言ったら重大さが増すので、悠長に待ってくださいね、なんて言いません)
旅慣れてる人ならわかるかもそれませんが、カバンの半券は大切ですが、搭乗券やEチケット、それから身分証があれば、後々検索することは可能です。
(おすすめは半券をもらったらスマホで写真に撮っておくとすぐに見つけられるし無くしません)

このお客様は結局、その後グランドスタッフがきちんと対応して怒りも収まっておとなしくされていましたが
あの時以外はとても落ち着いた方でした。
あれは一体何だったのだろう?幻想かな?と思うほどでした。
(私のサービスエリアに座ってらしたので若干ドキドキしてました。)

このほかに、今回のフライトではミール選択肢がなくなって光の速さでブチ切れされた女性、(フライトとはずれますが)チップを払ってくれなかったとブチ切れ、制服姿の同僚に怒鳴り散らかした運転手さん。
ビジネスクラスが満席で当日アップグレードを断られたお客さん(これは本当になぜ怒るのかわからない)、英語で話しかけられたから英語で対応してたらオランダ語喋れよ、って理不尽なこと言い出すオランダ人のお客さん、確実に寝てたからお食事を飛ばしたら「私は起きてたのに!」と怒る人....

怒りの沸点が本当に低くなったような気がします。そしてその急に怒る理由っていうのは、言葉にはもちろん出してはいませんが「私は何も間違ってない!私のために全力でフレキシブルに対応して(それが当たり前なんだから!)」と言った感じです。

機内で起こった出来事は全てチームで円滑に仕事が進むようにシェアします。

パンデミック中に世界中のいろんな国で色々制限された生活を虐げられましたが、
一方、主に仕事ではリモートワークやオンライン会議など自分のタイミングや自分のやり方で仕事を進めることができるようになったり、
満員電車やバスに揺られることも以前よりは減ったり、人と出会う機会自体が減ったり距離を置いたり...とで、
パンデミック前は普通だと思ってたことや 
我慢できていたことがそうでなくなったり、人に自分の気持ちを伝える時に今までできてたコミュニケーションの仕方が変わってしまって(結果すごいキツい言い方)になってるのかねぇと熱く機内で語り合いました(情報共有といえばそれ、愚痴と言えば愚痴ですが。笑)

結果: コロナのパンデミックはいいことを何も生んでない!

というところに落ち着きました。

パンデミックに続いてウクライナ情勢が影響し、今まで通れたロシア上空を通れずに遠回り、燃油の価格が上がったり、物価自体が急に高くなってしまった今ですが、
それでも航空業界は活気を取り戻し、どこの国でも地域でも満席、満席でありがたいことですが、
この短気増量説はあながち仮説ではなく、あるある事案であるなと思いました。ちょっと悲しい産物ですね。

また今回は異世界ラスベガスへの便だったので客層が一層そうさせてたのかもしれませんが。


それでも短気系のお客さんだけではなく、可愛い赤ちゃんに癒されたり、冗談かましてくる面白いおじさんがいたり、結婚したばっかりなのーっていうハッピーカップルがいたり、「機内食美味しい!」って絶賛してくれる人がいたり、差し入れをくれる人がいたり、総評するとやっぱり楽しいフライトだったなと思います。

それでは今日のフライト日記はここまで!
それでは、また! Doei!


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