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日常はほんの隙を見計らって牙を剥く。

日常はほんの隙を見計らって牙を剥く。

タンスの角、洗い物中のお玉やスプーン、洗濯物を干しすぎた突っ張り棒、日常は我々の隙を必ず見逃さず、危機は常に我々の身の回りに潜伏している。

世間と遅れて、ゴールデンウィークに突入した齋藤である。さて、連休中なにをしようか…と考えながら酒を飲んでいたら、次の日の昼になっていた。布団に入り寝ると、もう夕方になっており、連休初日は何もしないことに決めた。しかし、何もしなくても腹が減る。齋藤は夕食を食べようと定食屋に行き、豚汁をオーダーした。

猫舌の齋藤は出来たて豚汁を慎重に啜っていた。しかし、突如として具の大根が唇に張り付き、あまりの熱さに悶絶した。
小さく切られた大根が熱を受けてスッと透き通り、豚汁の水面下に息を殺して潜んでいたのである。

大根が水面下に潜んでいるように、危機は日常生活の様々なところに潜んでいる。

明日はあなたかもしれない。努努お忘れなきようご注意願いたい。


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