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醤油はどうやってつける?

以前、あるタレントが握り寿司を食するのに、酢飯の部分をドップリと醤油に浸しているのを見てびっくりしたことがありました。それで思い出したのですが、大阪の中級以下の寿司屋では醤油を塗るための刷毛が醤油壷とともに客前に用意されていて、お客はそれで醤油を寿司種に塗っていたものです。大阪の大衆寿司店では、醤油小皿などという上品なものは出てこないのです。で、その醤油の刷毛なのですが、そういえば最近は見かけないなと気になりました。(直近は、件の疫病のせいで完全になくなってます)

まさか、保健所から指示があって禁止されるようになったのでしょうか? 雑菌が繁殖するなど、衛生上よくないとのことがあるのかもしれないですね。なにしろ営業中はおろか、醤油の壷にその刷毛が恐らくは次の新しい刷毛に差し替えられるまで、何年とは言いませんが洗浄しないでほぼ浸けっぱなしなっているのでしょうから。丁寧な店屋なら毎日洗っているのでしょうか? いや、そうではないような気がします。

それで衛生上のことはさておき、この醤油の刷毛はとにかく便利なのです。握り寿司を食べるに際して、酢飯の部分は醤油に浸けてはならないとされてます。しかしこれは、綺麗な仕草で食べようとすればするほど意外と難しいのです。握り寿司は箸で食べるか素手で食べるかとの論議も喧しいですが、実際にどちらで食べるかは個人の自由でどちらでもいいと思います。しかし、この醤油を酢飯につけてはいけないということに関しては、異論はいまのところ聞かないようです。それで、この寿司飯の上に乗っている種を小皿の醤油に浸けるのには、ちょっとしたコツがいるのです。

最近は、生姜をこの小皿の醤油に浸して、生姜を刷毛よろしく利用して塗ることが流行りつつあるらしいです。これもひとつの方法でしょう。上を向いて鎮座している種を下の小皿にある醤油に浸けるには、握り寿司を一旦横にする必要があります。これが少々難しいのです。(寿司通の方は、見事にこの仕草をやってのけます)そのときにこの刷毛が威力を発揮していたのです。

だから、あの刷毛は一体どうなったのだろうとふと思い出しました。大阪でも、天神橋筋やミナミなどの大衆店に行けば今でもあの刷毛はあるのでしょうか? 最近は大阪へ出る機会がないので、とんと分かりません。寿司屋の刷毛、どこへ行った?

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