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トレンドに挑む酒蔵

先日、伏見の玉乃光酒造がオープンした酒粕料理を中心としたレストラン&ショップに行ってきました。
烏丸通の一等地に一軒家の路面店という絶好のシチュエーションです。
四条から少し下って高辻通りとはいえ、銀行などが並ぶエリアでの開業。

日本酒業界の栄枯盛衰については、この50年で大きく変わりました。
1970年代までは、ご存知の通りアルコール添加のベタ甘酒が乱造されてました。
さらには桶売り・桶買いが横行しており、灘や伏見のわずか20数社の大手メーカーが市場を寡占してたことも周知の事実。

「灘の生一本」などという大嘘を平気でマスメディアに垂れ流し、CMにものを言わせてとんでもない酒もどきを売ってました。
今や時代は変わり、様々なコンプライアンスが重視されてます。
大手といえど、滅多なことはできません。
ほとんどの酒蔵を始め、大手の酒造メーカーもまともな日本酒を造っているようです。

ことは洋酒の世界にも同じことが言えます。
時を同じくする70年代に、S社のインチキウイスキーが暴露されたのも何かの因縁でしょうか。
年間に300億円もの広告宣伝費を使い、ゴールデンタイムの番組はキー局を始めすべての番組を一社独占のスポンサーをしてましたね。
あのCM曲は一億の日本人、そのほとんどの人の耳に嫌でもこびりついたことでしょう。

時代は移ろい、今はまともなウイスキー造りをしているようです。
しかし企業の体質、その遺伝子というものがあるとすればそのDNAにインチキ商法の精神が残っていると感じるのです。
私が、Sのウイスキーを始めその他の飲料を飲まないのは、そういった胡散臭い体質が嫌いだからです。

今ほとんどなくなりましたが、当時はSの製品は一切置かないという気概のある店主の小さなバーが何軒かありました。
高齢化に伴い、そんな時代を知る店主も新旧交代の波によって減りつつあります。
若いバーテンダーはそんな時代のことは知らないでしょう。

しかし、伝えてゆかなければならないと思います。
真摯な酒造りをしている酒蔵や、ニッカなどのメーカーが正当な評価を受けるようにしなければなりません。
膨大な溢れんばかりのCMに騙されてはならないのです。

S社のCMは素晴らしいと流布されてます。
それはSが素晴らしいのではなく、CMを作っている広告制作会社である博報堂や電通が優れているだけであって、Sにその優れた感性があるわけではありません。
Sにあるのは儲けることを至上とする商魂だけです。

きょうはこれぐらいしときます。
まだ書きたいことはありますので、Sの悪徳商法についてはまた追って書き記すつもりです。

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