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プロローグ

あらすじ

駅前で傷害事件が起こる。
目撃者が多数いるにも関わらず犯人の特定はできず捜査は難航する。そのうち、街で「犯人は七不思議のひとつ、鳥人の仕業ではないか」とうわさが立ち始める。地元の高校に通う倉田満は、知人の伏見春芽や同級生の杉下紡希が被害にあったことで事件と関わる事になる。
 学校の文化祭の準備を進めながら、なんとなくローカルニュースを見ているだけの事件だったが、高校の文化祭当日に同様の事件が学校内で発生する。
 無事、犯人が明らかになるがその正体は倉田満の姿をしていた。


 偶然なのか運命なのか計算なのか誤算なのか知らないが世の中には『縁』と言うものがあるらしい。
 例えば、何かとよく居合わせる友達とか、自然と集まってくるアイテムとか、ラッキーナンバとか、ラッキーカラーとか……。探してみるとそれは妙に法則性がある。
 それらは良縁や腐れ縁と呼ばれ、好まれたり疎まれたりするけれど、俺は少なくとも『縁』とやらには恵まれていないらしかった。

「大丈夫ですか⁈ しっかり!」

 体を揺さぶられて肩を叩かれた。
 重たい瞼を上げて振り返るが意識が朦朧としていて誰なのか分からない。すると、コンクリートの上に倒れていたところを仰向けに転がされた。視界が一回転して脳が揺れて吐き気が襲う。
「いま警察と救急車を呼びましたからね! しっかりしてください!」
 誰かが脇腹の傷口をおさえた。手当てしてくれているらしい。ありがとうございます、と息も絶え絶えに応えたが言葉になっていたかは分からない。
 ぼやける視界の隅で大量の白い羽毛が見えた。
 とりあえず、天国に行けますようにと願った。

2023.07.05. HP公開 再掲載


CAST:伏見春芽、杉下紡希


第二話:プロローグ(警察)
第三話:プロローグ(学生)
第四話:汐御崎という街(夜)

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