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GREAT SPIRIT

アメリカ インディアンには宗教はありません。白人がキリスト教を持ち込み教会を インディアン居留地につくったものの、現在でも都会ではなく居留地に住んでいるインディアンは(グレートスピリット)の考えを持ち なおも生きているのです。

わたしは 今の家人と結婚して 新婚旅行と銘打ち友人たちと数人で旅行したのですが、ロスやマイアミに住んでいる日本人の友人の家に泊めてもらいながら 好きなロックのライブを観たり 美術館巡りをしたり 自由な旅をしていました。

ロスには8人ほど行き、マイアミには私達夫婦以外に1組の夫婦と、既婚子持ちのグラフィックデザイナーの男性が1人計5人で向かいました。1組の夫婦は、わたしのパートナーの学生時代の友達。グラフィックデザイナーはわたしが 横浜本牧埠頭の巨大シーフードレストランで、一緒にアートワークをつくった縁で知り合いになった人でした。

このS氏の提案で、(ニューメキシコ州に行こう)ということになり まぁ彼はもともと行こうと計画してたことに私達夫婦が乗っかった形で 他の友達と別れて 3人でアルバカーキ国際空港までマイアミから飛び、空港から車をレンタルして タオスという町を目指しました。

アメリカの田舎は やはり車を走らせると がぜん ロードムービーのような 風景が広がり楽しめました。(パリテキサス)や(バグダッドカフェ)の世界とでも言いますか、(ジャック ケルアックの)オンザロードのような 私達もまだ20代の終わりで若かったこともあり 今思うと ニューメキシコ州はかなりエキゾチックで しかも 小さなホテルのダンス💃ホールには 本物のカウボーイたちが カントリーダンスしてて 夢でも見てる気がしました。

S氏は私達夫婦と歳が同じで、音楽好きという共通点や当時私達が吉祥寺に住んでて、S氏はその近くに住んでたので急速に仲良くなりました。

S氏はグラフィックデザイナーですが、アクリル絵の具で絵も描く人で サンタフェのギャラリーに行きたいという希望がありました。

ホテルは比較的安めの タオスにとり、翌日 近くの居留地で お祭りがあるから見に行こうと言うことになりました。

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アメリカインディアンには色々な部族があり、戦いのうまいシャイアン族や予言で有名なホピ族、織物の得意なナバホ族。

タオスには、壺や日干し泥煉瓦で住居を作るのが上手いプエブロ族が住んでいます。生まれて初めて遭遇したインディアンが このプエブロ族でした。

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集合住宅は、確か映画(スターウォーズ)のスカイウォーカーの故郷のモデルになったと思います。

この居留地の祭りに、S氏は 裏からただ入りしようと提案……馬鹿な私達夫婦もそれに乗り、何食わぬ顔で村を見て歩きました。入場料なんてそんなに高くはなかったはずなのに、まったく馬鹿でした。考えて見たら、東洋人3人はかなり目立つのに(笑) 

何事もなかったように村を出ようと裏にまわり、停めてあったレンタカーに乗り込もうとした その時 ある1人の男に呼び止められました。(悪いけど自分の家まで車で送ってくれないか?)その男は40代ぐらいの長い三つ編みを2つ下げた人でした。

(いいよ👍)ただ入りしたことが 一瞬バレた?と(゚∀゚)」[ドッキリ]   テッテレーは押し隠して、馬鹿3人はモノホンの目の前のインディアンに 目がハート❤になりました。昨夜のカウボーイより 興奮ですよ(笑)

男の名前はジャスパーと言いました。(どうだ 俺ん家寄ってっか?)と人懐こく言われて(まじで?)と3人でジャスパーの家に㌧㌧Ю\(´∀`*) オジャマシマース

着いたばかりの私達に 薪ストーブから火種を取り出してセージを焚いてくれました。邪気を払う為に。私達3人は邪気で満ちていたんでしょう(笑)

それから(腹減ってないか?)とオーブンから肉の塊を出して 薄くスライスして、コーヒーと一緒に 振る舞ってくれました。それが大鹿のオーブン焼きでした。エルクと言って大鹿の肉は赤身でちょっとパサパサしてましたが、今で言うジビエ料理ですよね。初めて尽くしの カルチャーショックです。

私達は日本人でホテルに泊まってると話すと、(日本はアメリカに原爆落とされただろ?)(俺は小さい頃白人に三つ編みを挟みで切られたんだ、全くアイツらときたらひでーことしやがる!)(俺たちも日本人も白人たちに苦しめられたから同じだよ)

三つ編みのインディアンから原爆の話しが出ると急に現代を感じた。見た目が何となく日本人に似てる気もするから、一緒に食事をして話してるうちに すっごい親近感がお互いに湧いたのが表情で分かるからか、ジャスパーが突然(ホテル代がもったいないだろ?家に泊まってけよ!)と言い出しました。 (マジかー❗)

翌日ホテルの荷物をまとめて、再びジャスパーの家に行きました。ここから、ジャスパーの審議が始まるんですが やっぱり私達が祭りに入場料払わなかったこと バレてたみたいです。その審議の方法が ただ入りしようと言った奴は3人の誰なのかを 推理?するジャスパーの知恵なんですよ〜

まず、私達3人をそれぞれ1人にさせるべく用事を頼むんです。わたしには 隣りの家の冷蔵庫からビールを運ぶようにと 

外には犬が数匹ウロウロ放し飼いになっていてその中に一際体格のいい狼もいました。その集団がわたしの周りについてくるんです!勇気を試されました〜(゜∀`;)無事に 薄暗くなった夕方ビールを1人で取ってきました。

もう少し人が集まるから、店にビールを買いに行きたいから車運転してくれよとジャスパーがS氏に頼みました。(ますみちゃん、おっかないからちょっと車に乗って一緒についてきて〜)とS氏。しょうがないな〜とわたしも乗り込んでビールを買いに行きました。私達がいない間、わたしのパートナーは家で1人になった訳ですが、ジャスパーの伯父さんが来て、色々な話しをしたそうです。

ジャスパーの審議が終わりました。

祭りにただ入りしようと言い出したのは、1人になる勇気がなかったS氏 だと判断されました!

わたしのパートナーは英雄しかも牛の英雄というニックネームがつき、インディアンに人気者になりました。わたしは(プエブロガール)というニックネーム?相当もてました(笑)

でS氏のニックネームは (プレイリードッグ)爆笑ꉂ( ᵔ̴̶̤᷄∇⃚⃘⃙̮ ᵔ̴̶̤᷅ )キ"ャ′‵′‵ 砂漠で気の小さな野郎という意味です。

この結果、わたしのパートナーはアメリカインディアンだけに捕獲が許されている鷹の羽を貰えました。わたしにはシルバーの鷹の羽 これはのちにペンダントヘッドにしました。キツネの襟巻きと、麝香の香水の練り物。多分鹿から実際取ったのでしょう。とてもいい香りでした。S氏に何が渡ったのか記憶に残ってないので、多分もらってないのかもしれません。

(オファー)捧げて、(ギブアウェイ)与え尽くす

空は父

月は祖母

大地は母

四つ足の人々

木や植物はブラザー、シスター

全てのものにスピリットが宿り、相互関係があり、寄与しあい 1つの大きな輪の中で生かされている。

大地はマザーアースのもので誰のものでもない。同時にみんなのものでもあるという感覚は日本人の八百万の神の考えに似ています。

翌朝、ジャスパーは野原まで私達とセージを取りに行きました。セージを見つけると、自分の髪を抜いて大地に捧げ セージを摘みました。そして私達の旅がこれから先に安全なものになるように、歌を歌ってくれました。インディアンの言葉の独特な歌が今でも耳の奥に残ってます。

ストレンジでクレイジーな旅でしたが、わたしが最初に(スピリチュアル)な体験したのはなんだろうと考えて、ジャスパーのことが頭に浮かびました。

あの人はメディスンマンだったに違いありません。私たちを癒してくれましたから。(与え尽くす)という愛が、全てをつつみこむことを教えてくれました。白人たちはこれを搾取して強奪しましたが、日本人の若き私達は 魂レベルで分かり合うことができたんです。それ以来インディアンには永遠のリスペクトをしています。

彼らはあえてインディアンと呼ばれたがります。ネイティブとは言われたくないそうです。





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