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インボイス制度で「電気料金」は上がります

これ、そうなるだろうなと思ってました。
https://news.yahoo.co.jp/articles/925aaebf730d8d7b88d78bf77dcf6354f58e3ee1
インボイス制度開始が決まった時からわかってました。

一般家庭の屋根で発電して、それを電力会社が買い取る。
一般家庭は課税事業者(インボイス登録事業者)じゃない。
ということは、電力会社が仕入れ税額控除できない。
なので、その負担する消費税は価格に転化されるだろうなと。
予想できてました、、、

一般の方は、消費税は買い物すると8%とか10%とか支払うものって認識かと思います。
ましてやインボイス制度ってCMでうるさいくらいやってるけども、何のこと?ではないでしょうか?

国の収入は、「基幹3税」と呼ばれる法人税、所得税、消費税の割合が高いです。
昨年度の税収の1位は「消費税」でした。
しかし、これほど国にとって大事な税金の一つなのに、消費税の制度ってわかりにくい。

このニュースのタイトル、
『インボイス制度で「電気料金」が上がる?』
についてすぐにピンとくる方は、仕事で消費税の仕組みを学んだ方なんだろうなと思います。
一般の方は、たぶんわからないだろうなと思います。

インボイス制度は、
「インボイス登録事業者からの仕入れに係る消費税のみ仕入れ税額控除できる」
というものです。

超簡単に今回の消費税の問題点について説明します。

発電会社から電力を仕入れた場合

【電力の仕入れ】発電会社(インボイス登録事業者)に支払い
100円(税込 110円)

【売上】電気料金徴収
200円(税込 220円)

仕入れに係る消費税 10円
売上に係る消費税  20円

国への消費税の納税計算
受け取った20円-支払った10円=10円
10円を国へ納付

一般家庭から電力を仕入れた場合

【電力の仕入れ】一般家庭(インボイス登録事業者でない)に支払い
100円(税込 110円)

【売上】電気料金徴収
200円(税込 220円)

仕入れに係る消費税 0円  ← 一般家庭(インボイス登録事業者でない)なので
売上に係る消費税 20円

国への消費税の納税計算
受け取った20円を国へ納付

一般家庭から電力を仕入れた場合、インボイス登録事業者でない一般家庭への支払いのため、支払った10円は受け取った20円から引けない。
このため電力会社の負担が10円増える。
なので、その分を電気料金に上乗せしようという話です。

では、一般家庭からの仕入れ時に10円払わなければいいとか、一般家庭から仕入れなければいいと考えられますが、それは出来ません。
インボイス制度開始に伴って、仕入れ価格を調整することは認められませんし、再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)があるので、余剰電力を一定価格で買い取らなければなりません。

同じような問題はほかの業界でもあります。
JTが葉タバコの生産農家に一方的に取引価格の引き下げを通告したのは明らかにインボイス制度が関係していますし、ヤマト運輸が宅配個人事業主との契約を解除したのも遠からず影響があると考えられます。

たぶん一番身近な税金である消費税。
勉強するとしないでは、社会や経済の仕組みの理解度が変わってくると思います。
消費税の制度、勉強する価値はあると思います。

※この記事の内容は、課税事業者であるない、簡易課税制度、経過措置などは考慮しておりません。








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