いわゆる怖い話について、実体験も含め

突然だけど、怖い話が好きだ。
2ch発祥の怪談話を集めた「洒落怖」というまとめサイトを一時期巡回していたくらい、怖い話が好きだ。
「コトリバコ」「くねくね」「リョウメンスクナ」など、有名どころはだいたい読んだと思う。(一番好きなのは「リアル」)
当然ながら、上記「洒落怖」の怪談話はほとんどが創作である。

いや、別にそう断言する根拠はないが、常識的に考えればなんとなく分かる。何ヶ月も前の体験談なのに会話の隅々まで覚えている主人公だとか、都合よく除霊してくれる近所の住職などは現実には存在しないからだ。これらは全て、おそらくは物書きの卵なんかが練習で作った創作物の集合体であることは、洒落怖ファンは理解した上で楽しんでいる。

きっと、本当の怖い話というものは、数行で終わる程度のものだろう。
ストーリーはなく、登場人物も少なく、伏線なんかないんだろう。
霊感の強い頼もしい友人も、お寺なのに何故か除霊してくれる住職も、「あの場所に入ったんか!」とすごい剣幕で怒鳴ってくる田舎の祖父も、よせばいいのにゴミ捨て場から妙な置物を拾ってくる彼女も、実在しない。

だからこれから書く僕が人生で唯一体験した怖い話も十行以内に終わるし、たぶん読み手は大して怖くもない。

学生時代、僕は寮の一階に住んでいた。
冷房なんぞないので夏場は窓を開けっ放しにして寝るんだけど、夜中の1時頃に電気を消して布団にくるまってスマホを見ていると、どこからか甲高い奇声が聞こえた。その声を文章で表現するのは難しい。無理矢理文字にすると「ホワホホ!」という感じだったと思う。人の声なのか、動物の声なのかも分からない。人生で聞いたことのない声。どこから聞こえたかも分からない。窓の外の中庭からかもしれないし、部屋の中から聞こえたような気もする。でもたしかにハッキリと、大音量で聞こえた。あまりにも怖くて、布団から中途半端に身を起こした体制のまま1時間くらい固まってたと思う。

以上。