緑茶と一緒に買いたいものは? 

職場でお茶くみというと時代錯誤だと思う。でも、職場でいれてもらったお茶は美味しかった。緑茶のおいしさを感じたのは、静岡市の職場だった。そんな静岡の図書館で出会った本の紹介。
岩崎邦彦(2008)『緑茶のマーケティング』

出版社サイト ↓
https://shop.ruralnet.or.jp/b_no=01_4540082027/

静岡のお茶の話のnote記事を書いている。でも、他県出身の私には、今一つぴんときていないところがある。
確かに、静岡市でも少しドライブしたら茶畑がたくさんあって、日本茶インストラクターの知人がいて、土産物店にもお茶が並んでいる。お茶スイーツのお店も静岡駅徒歩圏に多数あり、お気に入りのお店もある。「静岡県の日本一」を紹介する県庁のウェブサイトでは、茶栽培面積など全17項目が日本一と書かれている。

でも、関西にも住んでいた身からすると京都のお茶が脳裏によぎる。静岡県に進出した関西発の会社にいたときも、京都の知り合いへのお土産にお茶は持って行きにくいという会話があった。そして他県の知人が普通に、静岡在住の私に茶葉を贈ってきたり(緑茶ではないにしても)する。

ブランドは、消費者の心の中に存在する

岩崎邦彦(2008)p.89

まさに、この言葉の通りなのだなと思う。静岡県外の人たちの「心の中」に静岡のお茶は無さそうである。岩崎(2008)で示されている、東京の消費者を対象にした調査結果でも表れている。

静岡は「安心できる」、京都・宇治は「高級感がある」

岩崎邦彦(2008)p. 90

静岡で農業に関わり始めて、マーケティングやブランディングを学び始めた。産地レベルでのイメージをくつがえすのは難しい。でも、より消費者に喜んでもらえる販売の仕方を考えることはできるだろう。この本でも、参考になりそうな事例が紹介されている。
緑茶をリラックスするために飲むとしたとき、どこで緑茶を買うか。調査が行われた。

どの店で緑茶を買いたいですか?
A店:緑茶+海苔を扱う店
B店:緑茶+和菓子を扱う店
C店:緑茶+コーヒーを扱う店

岩崎(2008)p.63

答えは自明のように思える。静岡駅近くでは、おしゃれなマイボトルも売られているような専門店もある。
自分がお茶の生産者だったとして、あるいは普及させたい立場の人だったとして、直接何かできることは少ないかもしれないけれど、直売所を持つような立場にあれば、工夫のし甲斐はあるのかもしれない。

緑茶に限らない。静岡のみかんを、わさびを、もっと売りたいと考えたとき。相手がどのようなものと一緒に買いたいかということは、考えてみてもよいことなのではないか。

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