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心を鍛える

心を鍛える 著者:堀江貴文 藤田晋

著者のこの2人を崇拝しているわけでないが、起業家、実業家の参考として、または、自己確認のために時折、この人たちの本を読んでいる。

ところで、この本のテーマである心自体は、存在していなくて、頭で考えたことに対して、体の神経が反応した状態を、人間は心と名付けたのだと思う。
心が動くということは、頭で考えたことと、実際に起きた事や感じたことのギャップ、それに対して、神経が、どう動いたか、という一連の流れ。

心が弱いというのは、この一連の流れで、体や神経が不安定な状態になることで、心が強い人は、良い神経の動き、心が弱い人は、悪い神経の動きをしているとも言える。

いや、神経というか、この神経の動きを作るホルモンの分泌の結果が心だと思う。

ホルモンには、感情をポジティブに作用させる幸せホルモンと、ネガティブに作用させる不幸ホルモンがある。
感情をポジティブにさせる幸せホルモンには、セレトニン、オキシトシン、ドーパミンなどがあり、
不幸ホルモンには、ノルアドレナリン、アドレナリン、コルチゾールなどがある。

セレトニンは、睡眠や生活などのバイオリズムが良いと分泌され、オキシトシンは人の繋がりで分泌され、ドーパミンはやる気が出ると分泌される。

ノルアドレナリンが分泌されると悲しみの感情が生まれ、アドレナリンが分泌されると怒りの感情になり、コルチゾールが分泌されるとストレスを感じることになる。

幸せホルモンが分泌されると心が強いと言われる状態になり、不幸ホルモンが分泌されると心が弱いと言われる状態になる。
幸せホルモンは、能動的に動いた結果として分泌されるが、不幸を感じるホルモンは、何かに反射して、受動的に分泌されるという傾向がある。

つまり、自分で考えたり、自分で積極的に動いたりしていると、幸せホルモンが分泌されやすくて、心が折れにくくなる。

逆に自分以外の何かに期待したり、依存したりして、それが思う通りに行かないと、反射的に不幸ホルモンが分泌されて、心が折れたりするのだろう。


自ら解決したり、自分で結果を出そうと思うほど、心が強くなり、自分以外の何かに期待するほど、心が折れやすくなったり、感情的になったりするわけだ。
他人から与えられてばかりいると、表面的には幸せそうでも、幸せホルモンは分泌されていないので心が弱い状態なのだ。


また、幸せホルモンの一つであるオキシトシンは他者とのつながりを感じる時に分泌される。なので、誰かの為とか、チームの為、など自分以外のために、何かをしている方が、幸せになれる。


心を強くする、という秘訣は、幸せホルモンが分泌されることで、その幸せホルモンの分泌のためには、他に期待しすぎず、自分で工夫して、誰かのためにやることなのだ。

非常に前置きが長くなったが、以上の前提から、この本を読むと、主体性の重要性が再認識される。
複雑化する現代において、心を強くすることはテーマの一つだが、単に心を強くしようとするより、自分が今やれることに没頭したり、他者のために行動する事で、自然と幸せホルモンが分泌されて、心が強い状態を維持できるのだ。

この本では逆境において2人が、どの様に考えたかを体験談を交えてリアルに伝わってくるが、ようは心を強くするのは主体性で、他者依存や他者期待をするから、不幸ホルモンが分泌されて、心が折れるのだということがわかる。

少し、書評的な話をすると、その様な主体性の重要性を伝えるべく、タイプの異なる二人が体験談を中心に語ることで重層的な効果を出している。人や世間と時には理不尽さとも主体的に向き合うことで、以外とシンプルな結論に達して、その結果、ぶれない心が後天的に形成されるのだ(良いホルモンが分泌され続ける)と追体験できる。


例えば、ホリエモンが、コロナ禍中で和牛版ジンギスカンをオープンした際、どんな状況でも創意工夫を持ってしつこく変わり続ければ、なんらかの結果が出る、といってるが、これこそが心を強くする主体性の賜物だ。

ところで、ホリエモンと藤田さんの二人の本は、これまでも、なぜか自分に入り込みやすかったが、それは幼少時、中産階級の親元でのノーマルさに対しての抵抗感とか飢餓感が共通感覚としてある事だと再認識した。

自分もそうだが、特に今の40代の多くは自分達の親の没個性的な考えへの抵抗感が根底にある人も多いと思う。

裏切りや闘争とかによる挫折や葛藤という派手な逆境よりも、元々、満たされているようで満たされないような飢えとか抵抗感から来るモチベーションが、二人の根底で根深く機能していると思った。
そういう意味で、自分の生い立ちも含めた飢餓感も大事にしたいと思った。

飢餓状態ではグレリンというホルモンが分泌されるのだが、これも実は成功に必要な要素だと思う。ハングリーであれ、ということだ。

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