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竜術士クエスト感想「ランジェの願い」

竜術士クエストをクリアした。

クエストに登場する竜術士ランジェは、フロヲラさんに似ている、と多方面から言われて親近感もあり、好きな話だったので簡単な感想を。

竜術士クエストのネタバレがあるので未クリアの人は要注意。

ネタバレ防止用写真



バウギスの血を飲み、虚竜となった魔法使いは更に力を欲しつづけて暴走し、虚竜王グリーデルとなった。
しかし、同じく竜の血を分け与えられたランジェは虚竜になっていない。適合した、と本人は言っていたが本当にそうだろうか?
そうではないと思う。

竜の血は、本人の持つ欲望・願いを強化するのではないか。
魔法使い達は、もっとバウギスの血が欲しいと願った。その願いはバウギスの血を飲み尽くすまで止まらない。他の虚竜を襲うのもバウギスの血が混じっているから。叶わない欲望に振り回され、結果として暴走した。

虚竜は喰い合い血を濃くし、虚竜王グリーデルとなった。
「グリード」はオーグリードのグリードでもあろうけど、greed=貪欲、強欲、欲張りの意味でもある。

もし魔法使いが「自分自身の力で強くなりたい」と願っていれば、バウギスの血に頼ることなく強くなれただろうに、おそらく、修行により自らの力を高めるよりもバウギスの血を飲む方が手っ取り早く遙かに強くなれる、と思ってしまったのだろう。

では、ランジェはどうか?
ランジェは、竜の血を分け与えられて不老長寿になった。不老長寿がランジェの願いだったのか。


ランジェは、ほぼ全ての場面で眉間に皺を寄せ、あるいは半眼で、常に悲しそうな表情を見せている。

眉間に皺を寄せるランジェ

悲しい場面はもちろん、弟子のドラゴラムが成功した場面や弟子達が駆けつけてくれた場面、笑顔でいいはずの場面ですら眉間の皺は変わらない。
そしてそれは、数百年の懸念だった虚竜王グリーデルを倒したときですら。

やっとグリーデルを倒したのに


数百年に及ぶランジェの人生には、常に罪悪感と、重責へのプレッシャーがあった。
ドラゴラム伝授により命を落としたシーロアへの罪悪感、その遺志に対する使命感、世界を危機に陥れた責任、そのために、とはいえ弟子を危険に晒すことへの逡巡等々。

けれどもそんなランジェが、眉根を寄せず、穏やかな笑顔を見せる場面がある。バウギスに自身の力=命を与え、自らは死にゆこうとする場面である。

ランジェの願いは、不老長寿ではない。

「バウギスといつまでも一緒にいること」

長く生きる竜と一緒にいたければ、長く生きるしかない。不老長寿は、願いをかなえるための副産物。


そして今や、その願いは叶ったのだ。


注記

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