負け

従姉妹に嫉妬していた。

私みたいに我慢をしないで、どうして楽しくて幸せでいるのか分からなかった。
悔しかった。
厳しいことに耐えている自分の方が報われると思わないと、やっていられなかった。

従姉妹にはずっと負い目があった。
時間が経って仕舞えば、忘れ去られるだろうと、勝手に任せていた。
ちゃんと忘れてはいなかった。

従姉妹が突然家に遊びにきた。
上品な雰囲気になって、落ち着いて見えた。

自分が、出来なかったことを、従姉妹は静かにやり遂げていた。
本当の意味で、負けたと思った。

気持ちを堪えて、心から、すごいと言った。
どんなに苦しくても、心につっかえる棘を刺し続けることは、もうやめようと、自分を見逃さなかった。

従姉妹に、みんなの前で、すごいと素直に言えて、本当に良かったと思う。