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母とふたりでユニバに行った話
ぼーっとテレビを見ていたら、ひとつのCMがやけに刺さった。
「親子を超えろ! 超家族!」
キャッチーとは頭の悪さと紙一重で、その意味で非常にキャッチーなそのCMを見たのはもちろん初めてではなかった。関西以外で流れているのかは知らないが、少なくとも関西では軽くニュースを見ようとテレビをつけただけでも目に入ってくるCMだ。
おなじみUSJの新CM。それを見て唐突に気づいた。そういえば母とユニバに行ったことがない。
関西人のくせに、親にユニバに連れて行ってもらったことがないのだ。ディズニーはあるのにユニバはない。
そもそも母はもう20年以上ユニバに行っていないはずだ。ハリポタエリアも、スーパーニンテンドーワールドも、行ってみたいなあと言いつつ一度も目にしていない。
つまり連れて行けば、初見の人の反応が楽しめる!
これはとても心の踊る可能性だった。オタクは初見の人の悲鳴が大好き、とはよく言われることで、どのジャンルでも初見の人がTwitterで新鮮な反応を呟いていたらあっちやこっちからわらわらとオタクが湧いてくるのである。それほどに初見の感想は美味しいのだ。
あとは最近私の体調がいいことも私の背中を押した。
というわけで、そこからは早かった。超家族とやらになってやろうじゃないか。
早速母に打診。すると返事はこう。
「え、一緒に行ってくれるん? 行くんやったら一週間後かな……」
というわけで、次の月曜日にインパすることが決定した。
と、まるで自分はユニバに詳しいかのような物言いだが、そんなこともない。そもそも両の指で足りる程度しかユニバに行ったことがない。入ったことのあるレストランはルイズピザパーラーとキノピオカフェのみ。ハロウィンやクリスマスのショーは見たことがあるが普段のショーやパレードは見たことがない。というわけで、以下はユニバほぼ初見の母と、三割くらい初見の私のユニバ訪問記である。
ハリーポッターエリア
まず朝イチはハリーポッターエリアへ直行。
ニンテンドーワールドと迷ったけれど、朝一番にここに入ろうと思えば7時ごろには現地に着いていなくてはいけないということで断念。その点ハリポタのフォービドゥン・ジャーニーなら8時に着いても待ち時間30分程度で乗ることができるのでなんだかお得な気がした。
14:00からのパレードを見る予定だったので、ニンテンドーワールドの整理券は14:30からの分を取得。これで完璧である。
入口がアズカバンのあのシーンの場所だとテンション高めに解説する私。ハリーとロンが乗り捨てていった車でさらにテンションを上げて解説する私。初見の母を差し置いてなぜか私のテンションが上がっている。隣に初見がいるというだけでなんか楽しくなるのだ。そういうものだろう。
しかし母もやはり負けず劣らずテンションが上がっていて、ホグズミードに着くと「すごーい! 雪が積もってる!」と良い初見の反応をしてくれた。ホグワーツ特急やワンドマジック、ショップの動くディスプレイにきゃいきゃい言う母と私。これだよ、こういうのがしたかったんだよ……!
アトラクションに何個乗れるかチャレンジ! みたいなのも楽しいけれど、ハリポタエリアはとにかく作りこみがすごいので見て回るだけで余裕で一時間は過ぎてしまう。たまにはこのエリアでゆっくり過ごしてみたかったのだ。
が、ともかくアトラクションが空いている間に乗ってしまわねばならない、ということでフォービドゥン・ジャーニーへ。ちなみにnoteだからフォービドゥン・ジャーニーと呼んでいるけれど口頭でこのアトラクションの正式名称を呼ぶことはほぼない。基本ハリポタと呼ぶ。
ホグワーツ城内へ入ると、「すごい! ハリーポッターの世界や!」と大興奮の母。そんな母を見て大興奮の私。動く絵画も校長室も喜んでもらえて大満足、これはアトラクションも楽しんでもらえること間違いなし……と思いつつ椅子に乗り込む。
余談だが初めて乗ったとき友人から箒で空を飛ぶアトラクションと教えられて、どう見ても椅子なのになあ……と思いながら股の間にある椅子の突起を箒に見立てて握っていたことがある。クルーにどんな目で見られていたか、今となっては知りようもないが考えるとおそろしい。
さて、アトラクションを満喫し降りてきたら、明らかに母の顔色が悪い。これは……酔ったな……。フォービドゥン・ジャーニーはかなり酔いやすいことで有名なアトラクションである。酔うかもとあらかじめ伝えてはいたけれど、想像以上に母の調子が悪い。どうやら母の三半規管は思っていたより弱かったらしい。というわけで、以降ライド系はすべて却下、前日までに考えたプランをすべて変更することに。
ひとまず橋の上からホグワーツ城を撮影。「飛んでる鳥までハリーポッターの世界観や~」とうっとりと母。これだよ……こういう新鮮な初見の感想が聞きたかったんだよ……。
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その後オリバンダーの店で杖のショーを見る。最初の隠し扉が開く瞬間で母が「おお……」と歓声を上げていてガッツポーズの私。ショーも楽しんでもらえたようでうれしい。
ハリポタエリアはショップもめちゃくちゃ凝っている。個人的にはハニーデュークスが好き。あれもこれも実際に映画の中で売ってたやつだ~!!となるし、シンプルに店内装飾がカワイすぎなのである。
しかしこういったショップはアトラクション好きの友人と来るとなかなかゆっくり見ることができないので、あれやこれやと物色するのは実に10年ぶりだった。気づけば母より私のほうがはしゃいでいた。というか母はまだ酔っていた。ごめん。
そしてトイレでマートルにご対面してもらって、ハリポタエリアの外へ。アトラクションは酔ったけどホグワーツの中に入れたので良かった!!ホグワーツの中はすごかった!!と母。アトラクション自体の感想は一切なかったので多分怖かったんだと思う。キャッスルウォーク再開してくれたらあんな怖い目に合わせずにすんだのに……。
ユニモン+POP+ウォーターワールド
エリアを出ると10時ごろだったので、いい時間ということで近くのレストランに入ることに。スヌーピーのバックロット・カフェで昼食。イースターメニューかわよ。
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その後ユニモンを鑑賞。久しぶりに見たけどぜんぜん変わってなくてうれしい。ウェーブするときの「椅子に気をつけろよ!」のくだりまで変わってなくて安心したし、実際そこが一番母にウケていた。やはり変わらないものには変わらないだけの理由があるのだ。
シアターを出て、そのまま目の前のパワーオブポップ待機。このショーは私も初見だったのでめちゃくちゃ楽しかった。ABBAのギミギミギミとか懐かしすぎたしキャストの女の子たちがかわいくてハッピ~。でもABBAがド世代のはずの母にあんまりウケていなくて残念だった。バックロット・カフェでダンシング・クイーンが流れたときも私のほうがノリノリだったのでもしかしたらABBAがド世代なのは私のほうなのかもしれない。
パワーオブポップが終わると、ウォーターワールド……の前に、少し時間があったので、せっかくだしパークを一周してみることに。というかこのままだとパークの西と北をまったく見ずに終わりそうだったので、それはもったいないし……。
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そんなわけでショップをのぞいたりニューヨークエリアで写真を撮ったり、ジュラシックパークでフライングダイナソーに青ざめたりしているうちにいい時間に。そのままウォーターワールドへ。
で。このウォーターワールドが母にバカウケ。
始まる前からキャストたちの前説でニコニコ笑っていたのだが、始まると固唾を飲んで映画の世界へ。私以上にビビりの母だからちょっと怖がるかも……と心配していたのだが、まったくの杞憂で、「アクションすごい!!」と大興奮。「ひとつ間違えたら大けがやん? 命がけちゃう?」と感心しきりで、これはきっとキャストさんスタッフさんたちもうれしいだろう。私も誇らしい。なぜお前が?
NO LIMITパレード
さて、ウォーターワールドを出たらパレードだ。
私も実はユニバのパレードを見るのは初めてで、待機の時点でウッキウキである。30分ほど待てば華やかなパレードがやって来た。耳に残るキャッチーな音楽と真似しやすい振付が楽しくて私も気づけば踊りまくり。
そうこうしていたらフロートが停まり、一人のお姉さんがフロートに登った。マイクを手に取ると、何と彼女はバチイケのラップを繰り出したのである。かくしてNO LIMITタイムとかいう時間がやって来た。みんな車道に出て一緒に踊ろう!と言われる。そんな……クラブみたいなことが……?
しかしここで出ないのはもったいない。私は母の手を引き、フロートの目の前へと飛び出した。そしてダンス! の前に、とりあえずフロートの写真は一枚撮っておく。イエーイめっちゃきれいに撮れたわ。
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というわけで、今度こそダンス。あんまり踊っている人が周りにいないのでガチで踊ると結構ダンサーさんから目線をもらえる。楽しい。そして最後は紙吹雪。なんじゃこりゃ! 楽しい!
それにしてもパレードの時間が50分間というのはすごい。私も昔鼓笛隊でバトンをしていて、真夏の炎天下で数十分ぶっ通しパレード練習とかしたことあるけれど、とてもじゃないが笑顔をキープなどできない。普通にすっげえインフェルノである。やはりテーマパークのダンサーというのはすごい。
スーパーニンテンドーワールド
パレードのあとは予定していた通りニンテンドーワールドに。が、母はマリオのことをほとんど知らない。なんか……赤いのがマリオ……というレベルの知識である。
そこで、母の希望で前もってスーパーマリオブラザーズの映画を見てもらっていた。ユニバの予習でマリオの映画を見たわけである。たぶんそんな予習の仕方をした人は今までにいなかっただろう。
私も映画を見ながらこれはノコノコ、これはアイテムが出てくるハテナボックス、マリカではこうらを投げて相手を妨害、と説明することになるとは思わなかった。しかしおかげで、一切ゲームをしたことがない母も見終わる頃にはマリオの世界にある程度習熟していた。
土管を抜けて、ニンテンドーワールドの世界が目の前に広がると母は「すごい! 映画の世界まんまや!」と感嘆。このエリアを見て「ゲームの世界」ではなく「映画の世界」という感想を抱くのは母くらいなものである。しかし母のリアクションを見て私もハッピー。
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マリオカートは映像酔いするかもしれないということであきらめて、さっそくヨッシーに搭乗。ヨッシーアイランドDSをプレイした世代としてはヨッシーの背中に乗ることができるというだけで興奮するのだけど、その辺りが母に伝わるはずもなく、そもそも映画にはヨッシーも登場していないので、母にとってこれは「謎の生物に乗って謎の卵を集める体験」となったことだろう。
けれど上空からニンテンドーワールドが一望できると母も楽しそうで、ベビィピーチを見ると「かわいい〜」とメロメロになっていた。さすがは姫さまです。
ヨッシーを降りると目の前にキノピオが! グリーティングだーーっ! 普段グリーティングにあまり沸かない私と母だが、映画マリオの「僕たちこんなに可愛いんです〜」の影響でキノピオにどハマりしており大騒ぎ。ツーショとか恐れ多いので遠くからこっそり写真を撮らせていただいた。そこ!盗撮とか言うんじゃない!!
そんなこんなで熱冷めやらぬままキノピオカフェへ。15:30ごろなのもあり50分待ち。実際には30分程度で席に座ることができた。
キノピオカフェは料理を運んできたスタッフが料理と一緒に写真を撮ってくれるというサービスがある。が、料理が来たとき母がちょうど席を外していて席には私一人。頼んでいた料理もほぼ一人分だったので、写真はあきらめるか〜と思っていたところ、スタッフさんがドリンクが二人分あるのをめざとく見つけたのか「お連れさまはお手洗いですか?」と。
「お戻りになられたときにお近くのスタッフにお声がけいただければお写真撮らせていただきます!」
し、親切だ……!
というわけで戻ってきた母と一緒に写真を撮ってもらい、デザートタイム。ティラミスおいしい。
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パワーアップバンドでキーチャレンジするかどうか迷ったけれど寒かったので、ワンダーランドをちょっとのぞいて帰ることに。さよならニンテンドーワールド。
ニンテンドーワールドの出口に向かいながら、母が「やっぱり土管から出てきたときのインパクトがすごかったなあ……」としみじみ。わかる。ニンテンドーワールドはファーストインプレッションがすごいんだよね。わかる。やっぱり初見の感想は美味いぜ。
ショップ
ニンテンドーワールドを出たあとは、ワンダーランドへ行ってファンファンミュージックを横目に見たり、イースターの装飾を撮ったりしていよいよ大詰め、お土産探しへ。
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ショップであれやこれやと物色してお土産を決めると、私はビバリーヒルズギフトへ向かう。目的はハリポタグッズ、というかニフラーである。
ファンタビにハマってからも何度かユニバに来る機会はあったけれど、アトラクションで忙しくて買い物を楽しむ時間はなかった。ニフラーグッズも、あるんだろうなと思いつつスルーしていた。しかし今回ならゆっくりグッズを物色できる。
なんでもいいからニフラーのグッズがないかな〜と見てみれば、あった。ニフラーのぬいぐるみが……! しかもニュートのトランクにみちみちに詰め込まれている!! なんだこれかわよ〜〜!!
しかしお値段は決してかわいくない。ニフラーとにらめっこしていると、隣に並んだベビーニフラーが目に入る。ベビー……これもかわいい。お値段も比較的かわいい。あとギリ鞄に入れて持ち運べるサイズ。これは重要だ。ニュートがトランクに入れてニフラーと一緒に旅をしているのだから私だってベビーニフラーを連れて歩きたい。
でも、ベビーニフラーとテディ(ニフラー)、どちらがほしいかと問われると圧倒的にテディなんだよな。
と、いうわけでトランクにみちみちに詰め込まれたニフラーの中から私だけのニフラーを探す。君に決めた!と抱き上げ、なでてみるとお腹にポケットがあることに気いた。
ほ、ほんもののニフラーだ……。
体に走る衝撃。やばい。ほんもののニフラーを抱き上げてしまった……。おののきながらレジへ行くと、店員さんがニフラーを袋に詰めながら「ニフラーはきらきら光るものが大好きなので盗られないように注意してくださいね〜」と話しかけてくれた。やっぱりほんもののニフラーなんだ……。もうなんかこの手口でニフラーと一緒にきらきらしたキーホルダーとか買ったとき「ニフラーに盗られないよう袋をわけておきますね〜」とか言われて有料の袋を売りつけられても許してしまいそう。
そんなわけで、17:30ごろにパークを出る。出口の直前で、ぽよぽよ歩いているミニオンたちに遭遇。ハッピー。
まだ明るいので、朝は時間がなくて撮れなかったユニバーサルグローブを写真に収めることもできて満足げな母。
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母が酔った時点ではどうなることかと思ったが、レストランには2軒入れたし、ショーはたくさん見られたし、私の知らない𝕌𝕟𝕚𝕧𝕖𝕣𝕤𝕒𝕝 𝕊𝕥𝕦𝕕𝕚𝕠𝕤 𝕁𝕒𝕡𝕒𝕟の楽しみ方という感じで大満足だった。母も一発目に怖い乗り物に乗せられて可哀想であったが、「楽しかった!」と言ってくれたのでヨシ。「また行きたい!」とも言ってくれたので次はトワイライトで行こうと思う。
そんな感じで初見の人をユニバに連れて行くのは楽しいぜ!! あと親子ユニバもな!! みたいな感じのnoteでした。超家族!とか聞いたときはあほやな……と思ったものだが悪くなかった。やっぱユニバはすげえや。
余談だが、ニフラーをお迎えできたのが嬉しすぎて家に着くと私は真っ先にニフラーで全方向美少女の動画を撮った。あほである。
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