見出し画像

Dead Fader『Askanes』

2012年にMurder ChannelからリリースしたDead Faderのライブアルバム『Askanes』の10周年を記念して、BandcampにてName Your Price(投げ銭)で8月23日まで配信している。

『Askanes』はDead Faderがディストーションの可能性を追求していた過程で生まれた非常にラウドでパンクな実験作。当時、Dead Faderは「ディストーション・ヒップホップ」「インダストリアル・ファンク」「ディストーション・ベース」といったカテゴリーで紹介され、ノイズミュージックとダンスミュージックを申し分のないバランスでミックスした過激で知的な作品を生み出し、Justin K BroadrickやClarkといったアーティストから絶賛されていた。

Dead Faderの歪みの美学が凝縮された『Askanes』は10年という月日が経過しても、まったく色あせることなく未だ多くの発見と刺激を与えてくれる。
エクストリーム・ミュージック狂は是非一度聴いてみて欲しい。

ディストーションというものを、ここまでフロア対応の音楽に攻撃的に持ちこんだ音楽はいままで例がなかったと思います。
新しいジャンルや面白い音楽というのは、誤用や勘違い、偏った極端性などから産まれる事が非常に多いと思うのですが、
現在の多種多様な名前がつけられては消えて行くノイズ/ビート系の音楽シーンの中でDead Faderが当てはまるジャンルが見当たらない理由もそこにあると思います。
制作/プロダクションの段階でのディストーションの使い方の異常性もさる事ながら、ライブでPAミキサーに常時真っ赤っかで過大入力される事によって得られる歪みも、彼の音楽の重要なファクターになっているように思うので、今回のライブ盤でのリリースは個人的に非常に嬉しいです。
なによりも、容赦なく歪んだ音の中で生き物のように変化していくビートは頭で難しく考える前に、単純に気持ちよくて快楽的です。
最近、以前に比べてノイズや音響系を聴かなくなったな。。。という方や、音源として聴く既存のクラブ音楽がなんとなく物足りない。。。という方に特におすすめです。
Taigen Kawabe(Bo Ningen/Devil Man)

CD版はMxCx online storeにて販売中。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?