Outer Wildsのはなし⑬「すばらしい日々」
注意:”Outer Wilds”未プレイの方へ
前回⑫の続きです。
本編最終回です!記事のタイトルはユニコーンの曲です。今回の記事を書いていてなんか頭に流れてきたので。
The Ash Twin Project
ということで最後に探索したのは灰の双子星プロジェクト。
「灰の双子星プロジェクト」という名前の場所があるとはなかなか理解できなかった。ところどころのnomaiテキストで登場していたけど、てっきり翻訳のクセかと思っていた。「灰の双子星プロジェクトが炎上している!」って文章があったら2通りに解釈できちゃう。
入った瞬間から漂うラスボス感。各地のプロジェクションでも見えていた仮面と初めての対面。ループする度に見ていたとも言える。
そして詳細に語られる灰プロの全貌。今となっては、ここに来るまでにどこまで全貌を理解できていたのかは分からないけど、ここのテキストを読んでいる時間が、自分の中のouter wildsのハイライトの一つなのは間違いない。
どのタイミングで書いたのかは分からないけれど、今、手元に残っているメモには当時の自分の「灰の双子星プロジェクト」への理解が書かれている。
ちょっと記載がおかしいけれど、まぁ言いたいことは分かる。
自分のメモだけど、宇宙の眼を「みつけてしまった」っていう表現がなんかおもしろい。それが良いことなのか、悪いことなのか、まだ分かっていない感じ。
探索を続けて、絶対に気軽に取り外してはいけない雰囲気の先進的ワープコア。人口重力を停止して、ワープコアのロックも解除して初めて取り外せるようになる念の入れよう。
そもそもなんで重力をわざわざ発生させているんだろう?重力水晶だとダメな理由があったのかな。ここの設計的に、nomaiもジェットパックみたいな装置を使っていないと、イザというときにこのワープコアは取り外せなさそうだけど。
初見ではこのワープコアを取り外さなかったのを覚えている。取り外すとループが終了してしまうことは理解していたし、同時に何をしなければいけないのかも理解していたので…。
前準備として、航行記録を見て「まだ探索できるところが残っています」が残っていないか確認し、探索し忘れたところがあればそれらを潰す。確か終盤はぶっ通しでプレイしていて、ずいぶん夜遅くになっていたような記憶がある。それでもここまで来たら途中でプレイする手は止められない。こちとらプレイ開始初日から一週間ほど、熱は冷めず、むしろアツアツでここまで来ているのだ。
旅の終わりがどういう結末になるのか緊張しつつ、あのアンコウトリオのことを思ってちょっとユーウツになりつつ…最後の旅へ!
Final Voyage
まずはループ前に計画を綿密にシミュレーションしてみる。『良いジャンプは良い助走から』(漫画「ハイキュー!!」の名言)
なんせ革新的ワープコアを使用する計画なので、失敗したらループが終わってしまう。慎重にもなります。
自分の考えたルートは…
①まずは闇のイバラに直行、シグナルスコープで脱出ポッドに向かう
②脱出ポッドの近くのnomaiの墓の種にシグナルスコープを打ち込み、nomaiの母船をHUD上で追えるようにする
③いったん闇のイバラから脱出。灰の双子星に急いで移動
④既に砂が減って露出したワープの塔から、灰プロにワープ
⑤ワープコアを奪取、闇のイバラへ再び戻り、HUDの表示を追いかけて母船に急ぐ
⑥母船に到着、ワープコアをセット、眼の座標を入力
⑦どうなる???
今見たら①から③、かなり無駄な動きしてますね。航行記録から「船」を目的地に設定すればカットできる工程なのだけど、当時はその発想が無かった。
最終的にこのルートでクリアできたはずだけど、最初のチャレンジでクリアできたのか、一度はアンコウトリオに阻まれてしまったのかは残念ながら覚えていない。ただ片手にワープコアを持ちながら、” Final Voyage”が流れる中を「船」に向かっているときの、あの緊張感と、不安感と、好奇心でぐちゃぐちゃになっていたあの感覚は、鮮明に思い出せる。
今でも思い出したら、ちょっと鳥肌立つもの。ゲームってやっぱり素晴らしい。
そして「船」に到着。ワープコアをセットして座標を入力して…宇宙の眼に辿りつきました。ここから先の一連のスタッフロールまでのシーケンス、私は「考えるんじゃない、感じろ」と開き直って、目の前で起こるあれこれを無理に解釈しようとせずに、粛々とクリアに向かって進めていったかな。
なつかしい観測所の展示から…宇宙の終わりを思わせるような心細くなるような演出が続いて…宇宙に一人ぼっちになってしまうのかなと思ったら…Outer Wilds Venturesのメンバーが現れて…Nomaiを代表してSolanumさんも来てくれて…楽器を奏ではじめた。
私はゲームをプレイして泣くこともあるタイプの人で、この時も泣きはしなかったけど、めちゃくちゃグッときた。涙が出るような感動とはまた違うベクトルの、とってもエモーショナルな、あはれなキモチになりました。
ロッキングチェアーに座るEskerが出てきたときは「ここにきて黒幕…?」とちょっとギョッとしたけど。
セッションを終え、エモーショナルなキモチに浸っている私と違い、これから何が起こるのか理解している様子のOuterWildsVenturesの面々と主人公。
その様子に「おい、おれを置いていかないでくれ」と思う気持ちもありながら「考えるんじゃない、感じろ」の精神で煙の球体に飛び込み…。
スタッフロールとなりました。
Let There Be Light
完走した感想です。私の思うOuterWildsの大きな魅力は2つ。
魅力の1つ目。スタート直後から巻き込まれ続けることになる「22分ループの謎を解き明かす」という一連の体験です。これが素晴らしかった。
宇宙という広大なフィールドを自分の選んだルートで探索し、苦労して自分の足で集めた情報を自分の頭の中で組み立てていき、それが最終的に美しい一本の道となる。
小説や映画では得られない、ゲームだけが持っている濃厚な旨味を味わうことができた。ゲームをやってて良かったなぁ…と思える瞬間だった。
この体験のキモである「フィールドを自分の選んだルートを探索すること」や「苦労して自分の足で情報集める」という部分については、OuterWildsの昨今の他のゲームと比べると不親切と思われかねないようなゲームデザインが効いていると思う。
画面のどこかに『次の目標:脆い空洞の重力探査砲を調べる』とか『出会ったOuterWildsVenturesのメンバー 3/5人』みたいなことが書いてあったら、ゲームの印象は全く変わったものになっていたはず。
終わってみれば『まだ探索できる場所が残っています』という、この一文に抑えられた絶妙なさじ加減が、めちゃくちゃちょうどイイ感じだったのだろう。
そしてもう一つの大きな魅力はnomaiという種族。箱推しです。
前回の記事も書いたけれど、nomaiの残したメッセージから感じる、科学やモノづくりに対する真摯な姿勢と純真さ(ピュアさ)がとても魅力的で、なんだかもう、たまらなかった。ともすれば一般的な見方をするとマッドサイエンティストにも映るのだけど、根本の動機がまっすぐな好奇心なんですよね。nomaiのような生き方、憧れちゃう。
まぁ主人公を含むHeartianの面々にはちょっと悪い気もしますが、最終的にHeartianよりもnomaiの方が情報が多いのだから仕方ない。Heartianも好きよ。
当時のクリア直後のTwitterのつぶやきは以下のような感じ。
今もまったく同じ感想ですね…。すばらしい体験をさせてもらえた、すばらしい日々でした。今でも時々はぼんやり考える。OuterWildsありがとう。
2 Years Later….
そしてゲームをクリアしておよそ2年後の今、こうやって今更記事を書いているわけですが、その間にいろいろありました。
考察サイト・ブログ巡り
友人に薦めてプレイしてもらう。たまに覗かせてもらう(初めてのゾンビ活動)
DLC (Echos of the eye) リリース。更に色々とたまらなくなる
他の方の配信を見るようになる
OuterWildsコミュニティに入る
大体こんな感じかな。いわゆるOuterWildsゾンビとしての活動はそれほど盛んにしているわけではなく、実は他の方のプレイ配信は二つくらいしか追っていないです。だけどその二つの配信への参加も、OuterWildsというゲームで得られた体験の一つとして、自分の中で重要なものになり、影響を受けまくりました。結果的に自分も何かこのゲームで得られた体験を残しておきたいと思うようになり、このシリーズ記事を書くに至ります。
書き始めたときは、OuterWildsへの気持ちが高まりまくっていて、人生で初めて音楽の動画を作りました。(音楽の経験も無いのに…今考えるとどうかしていたとしか思えない)
DLCの思い出も記事にできるかもしれないけれど、とりあえずこのOuterWildsの思い出記事はここまでにしたいと思います。書き始めたときはまさかこんなボリュームになるとは思わなかった…。
今は無事にSwitch版が出てほしい~と思う日々ですが、Mobius Digitalさんの次回作にも期待しています。
お付き合いいただいたゾンビのみなさまのお腹の足しになっていれば幸いです。
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