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親切な暗殺 #毎週ショートショートnote
首が変な方向に曲がり、
口の端からはブクブクと血の泡が出ていた。
暫く眺めていると、やがて静かになった。
雪に染み込んだ血は信じられないほど鮮やかだ。
まだ暖かい体から立ち上る湯気が日の光をうけ、
ゆらゆらと消えていった。
マリシモはそうして雪の朝
家を出ようとしたところを、
私と姉に静かに殺されたのだった。
姉はナイフを丁寧に拭き、鞘に納め
『行こうか』と踵を返した。
マリシモをこの世か
首が変な方向に曲がり、
口の端からはブクブクと血の泡が出ていた。
暫く眺めていると、やがて静かになった。
雪に染み込んだ血は信じられないほど鮮やかだ。
まだ暖かい体から立ち上る湯気が日の光をうけ、
ゆらゆらと消えていった。
マリシモはそうして雪の朝
家を出ようとしたところを、
私と姉に静かに殺されたのだった。
姉はナイフを丁寧に拭き、鞘に納め
『行こうか』と踵を返した。
マリシモをこの世か