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がんだむAGEの感想+AGEを見てレイザバレルくん(種運命)について思ったこと(⚠︎ネタバレあり)

結論から言えばAGEはとても魅力的な作品。

では、まずはゼハートについて語ろう。
かなり新選組の土方歳三味を感じた。
正確な言葉は覚えていないけど、「何百年も日本を統治してきた幕府なのに誰もそのために最後まで戦わないわけにはいかない(?)」みたいなことを言っていたというのも思い出した。
最後の数話での彼は割と死んででも戦争に勝つつもりでいたような。
というか、ゼハートもたぶんわたしやレイザバレルくんと同じINTJだと思うんだけど(推測です)、本当に愛する部下を自殺任務に送れるのは自分が死ぬ覚悟の時くらい。
それで、追い詰められて追い詰められて死に急ぐ彼が、大事なものまで犠牲にしたのに目的に届かなかったんだから、狂ってしまうのも最後に投げやりになるのも納得。
しかもコールドスリープもあるので、肉体的年齢を考えると歳とっててもせいぜい20代くらいなのにそのメンタルで何十年も戦争をして死んでいく者たちの思いを託されてきて…それが全部人間の愚かさのせいなのもわかっていて、イゼルカントの言うことに納得いってるわけでもないのに進むしかなくて。辛すぎるでしょ。
きっと彼は、疲れすぎて今度こそ終わらせたいと思っていたんだな…って感じた。

いや本当に、隠蔽の話は政府のふくしま事態やころな対策のこと思い出して😇ってなってたわ。更に、グルーデックさんを暗殺したあいつのこと、せっかくグルーデックさんが自由になってみたいなこと言っていたのに、そいつの感情まで利用して殺す連邦ってなんかもう腐りすぎてんなーって。リアルだけど。

フラムについては、ゼハートの心を守りたいと思っているところが尊かった。
本当の彼を知らなかったら、もしゼハートが終わセラのクレトやテイルズのアルトリウスみたいな(全/目標などのためなら、個を迷わず犠牲にするような)人間だったら、彼女は最後の命令は聞かなかったと思う。というか既に暗殺しようとしていただろうね。
正直、フラムの話ではものすごくるろ剣の雪代巴を思い出した。
復讐のために接近したはずなのに、相手の優しさと志を知って、「鞘」になりたいと思って、最後は彼のために死ぬというのがね…つらすぎる。
ゼハートと幸せになって欲しかった。

次は、フリットの最後の幻想(?)について。
まず、ユリンは、ステラ(種運命)味が強すぎて辛かった。最後にフリットに現れてもういいんだよって言うのがね。
実際ステラは「昨日」と「明日」(ずばり自由)をもらったってのを伝えたかったんだろうけどシンはそこまでは理解できてなくて、でももういいんだなってことはなんとなく理解したんだなって感じだものね。
そして、最後にフリットのママが現れて、でも何も言わずただ微笑んでいて、それが逆にしんどくて。
他の人たちは皆何かしら言っていたけど、母さんだけは何も言わなくても子供と通じ合えるってのが感じられて、わたしなるべく涙は我慢する性格だけどボロ泣き…

あと、イゼルカントがキオのこと息子の生まれ変わりだと思っているのも本当に心にきた。それと、最後に一人ぼっちになってしまったイゼルカント夫人がもう本当にかわいそうだった。たまにキオが会いに行ってあげたらいいな…って思ってしまう。

ぶっちゃけ、個人的に一番つらいと思ったキャラクターの死はユリンとゼハートなんだけど、死に方が一番つらかったのはセリックさんだった。
わたしだったらあそこで撃てないし、だから軍人とか絶対無理。
だから大事なものを守るために組織から抜けた曇天に笑うの天火や、TOVのユーリが好き。

では、アセムについて少し。アセムもユーリ味があって(組織を抜けて自分の考えた方法で正しいと思ったことをしようとする)嫌いではない。だけど、わたしがロマリーだったらもっとこう、TOVのエステルみたいな性格で行方不明の彼を探す旅に出ていたと思う。あと会ったら一発殴ってやっただろうな、お前ほんとに父親かよ?!的な。

でもまあ、アセムだけじゃなくフリットも父親としてはダメだなとは思った。実際フリット(子供を参加させる)とイゼルカント(過去の傷から立ち直れなくて狂った理想郷を夢見る)を足して2で割るとギルだなとも思った。
そしてフリットは「大事なものを守るためには仕方ない」と、ギルは「遺伝子に従って生きるべき」と割り切っていたからああなったわけだが、やはりこれも親としてはダメな選択だと思った。
実際わたしがフリットだったら息子を軍人になんかしなかったしエミリーだったら旦那とめっちゃ喧嘩したと思う。

オブライトさんのことは辛かったけれど、彼は愛する嫁がいるところに行けたからまだマシかもと思った…だってキオにホウキだっけ?貸せたのって、愛する彼女の分もずっと置いていたからなのよ。彼の彼女への想いはきっと…永遠に色褪せないし…だから死んだのはつらいけれど、彼女と一緒にいられることはよかったなと思った。しんどい。

あとわたし、シャナルアさんが本当に好き。子供を安心させようとするあの仕草も本当に好きだったし、妹のためなら何でもしたいという彼女の愛の深さに涙した。
でも何よりも、彼女がキオに言った最後の言葉が感動的で。
「死んじゃ駄目だよ…
どんなことがあっても…
歯ぁ食いしばって必ず…生き残るんだ…
…あんたならやれる…
強く…なるんだよ…」
これ、本当にわたしのレイザバレルくんへの気持ちだから、聞いてて泣いてしまった。

そして一番嫌いなのはディーンをころしたあいつ…クズすぎる。
戦争だから敵を撃つのはまあ置いといて、味方をそんなくだらない理由で撃つのかよ?!って本気で怒ってた。
デシルも嫌いだけど、彼はただのサイコパスだからね。

では、ルウについて。彼女のことは本当に悲しいけど最後に一時だけでもふつうに生きたいという願いが叶ったのはよかったと思ってる。

今までAGEの感想色々述べたけど、やっぱあれよ。火星人の、誰がいつ死ぬかわからないからどんどん人を愛さないようになって「人」として生きられなくなるってのが本当に心にきた。相手も自分も辛くなるから人を愛することなんて嫌だと思ってしまう宿命が、レイザバレルくん(種運命)とか沖田さん(薄桜鬼)のこと思い出しちゃってしんどかった。

ゼハートが死ぬのが余計つらかったのは、最後に本当は愛する人と家族作って普通に生きたかったって言ってるけど(火星人の「人」として生きられない辛さよ…)フラムはもういないからそれがもうできないわけ。
だからある意味納得いっちゃったってことなんだよね。生きてほしかったけどその最期に納得はできちゃうから救いがなさすぎてつらい。
結局彼もルウが願っていたように、「人」として生きたかったのだろう。でもゼハートは愛する人と子を作り普通に生きていきたかったという願いが叶わなくなったところが本当につらかった。
生まれ変わったらフラムと幸せになって欲しい。
なんなら、アセムともずっと仲良く生きていって欲しかったから、アセムの孫(つまりキオの息子)として生まれ変わってほしいなともちょっと思った。
「じいさんはおれにはかてない!」とか言ってほしい(笑)

では最後に、AGEを観ててレイザバレルくんについて思ったこと。
レイは自分には未来がないとわかっていたから、死が近い火星人のように感情を抑えていたのだろう。
シンたちと距離を置いてたのだって、性格もあるけど(性格似てるからわかる)そういう理由もあったんだろうね。
それで結果相手にとっての自分の大切さも認識できなくなっていたろうけど、シンは運命プランに疑問を持ちながらもレイの言葉で戦うと決めたんだし、レイのことはかなり大事にしているのがわかる。
前の記事でも言ったけど、それを知っていたら最後の選択は影響されていただろうし、アンネリーゼ(私のレイ救済小説のオリキャラ)はそれを知っているから、レイを助けてからはそういうのを認識できるようにすることを心がけていたのだ。

まあ、友人とすら距離を置いてたわけだからそりゃ誰とでも恋愛なんかしたくないと思っていただろう。おそらく意識したことすらないだろう。
AGEのセリフで言うと、「人らしく」生きられていなかったわけよ、感情も願いも全部抑制して。
しかしながらレイの場合は、生きたいというのが一生の願いで、遺伝子なんかに縛られない「明日」がほしくて議長を撃っちゃったわけで、種運命の最後ではレイのやったことによって彼の本当に望んでいた未来が作れたわけよ。ゼハートと違ってね。
せっかく自分の欲しがっていた明日を守れたのに、残る選択をした理由の一つが遺伝子(それも遺伝子という名の運命に縛られてはいけないという話をしてる作品でね)なのが納得いかなかったから救済したのも一つの理由なのよ。
結局ゼハートは長い長い間生きていて一度も「人」として生きる(自由に人を愛をし夢を持つ)ことができなかったけど、戦争が終わってもそれができなくなっちゃったわけだからつらすぎる。。(フラムぅぅぅ)

アンネリーゼは、レイが世界の残酷さを理解した上で明日を欲しがっていて、でも唯一の家族の理想のために重すぎる荷を背負っているのもわかっていて、そんな彼に「生きられる」未来を与えたくて頑張ったわけよ。
実際、どう探しても方法がなかったら、彼女ならとりあえず彼をメサイアから助け出してキオがルウにしてあげたように最後くらい普通の日常を送れるようにしただろうけど、可能性があるなら「人として」生きられるようにしたくて、しぬほど頑張って方法を見つけたのよ。
そして普通に生きられるようになったレイは、もうそんな残酷な運命に囚われず、友達とも自由に仲良くでき、他人を自由に愛し、「人として」生きられるわけよ。
それまでに「生きて」来れなかったレイにとって、アンネリーゼはその深い絶望と孤独に寄り添って、彼の存在の大切さを認識させ、「人」としての生を心から実感できるようにすることで彼の希望となってあげたのだ。
シャナルアさんがキオに言った言葉のように、アンネリーゼはレイに生きる勇気を与えた。自分の全てをかけて。

結局わたしは「人」としての「明日」を選んだレイの「明日を生きたい」という夢を叶えてあげたくて救済した…というわけ。そしてAGEを観て、改めて本当に本当によくやったんだなって思った。


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