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産後はじめて1人時間をもらったときの悲しい話(双子子育てストーリーNo.38)

出産から数か月は、授乳、おむつ替え、寝かしつけのエンドレスで自分の時間なんてほとんどなかった私。

産後4ヶ月目くらいに、初めて1人の時間を持ちました。
その時の何とも言えない感覚はいまだに忘れられず、同じような気持ちの人がいるかもしれないと、あえて記憶を掘り起こしてみます。

1.産後初めての1人時間

産後ケアサービスで派遣されるベテラン助産師さんが子ども2人を見てくれることになりました。2時間の訪問中、はじめ30分くらいはお話と引継ぎ、2人が泣いてお世話をしたので、私の時間は実質1時間くらいでした。

これまでにも家族に子供を見てもらうことはありましたが、私が外出をすることはなく、自宅で体を休めたり、やりたい作業(おい、仕事するなよ)をしたりしていたので、外出はこの日が初めてでした。

この日はフリータイムがあるとわかっていたので、
数日前から「何をしよう」「どこに行こう」とワクワクしていました。

ところが!!

いざ行ってきますと外にでたら

どこに行っていいかわからない
何をしたいのかわからない
お昼時なのに、何を食べたいかもわからない
自分が何が好きかもわからない

どうしていいかわからず立ち尽くしてしまったのです。
とにかく体が全く動かない。

とにかく外に出ようと自転車にまたがったものの行くあてもなく、
近所をぐるぐると回り、結局近くのパン屋で買ったパンを、家の目の前の公園のベンチで座って食べました。

次々にやりたいことが出てきて時間がない!と妊娠前は泉のようにアイディアがあふれていました。
でも今は、今は自分がどんな人間だったかもわからず、やりたいことも出てこない。

私が私でなくなってしまったような感覚がして、自然と涙がこぼれました


家で待つ助産師さんにバレないように、泣きはらした顔を何とか元通りに立て直し帰宅。

短かったけれど行きたいところにはいけた?と聞かれ
はい、ありがとうございます、と答えた私。
でも心の中は、出産を経てすっかり変わってしまった私が悲しく、深く絶望していたのでした。

2.振り返ってみて

今振り返ると、あの頃は子どもたちも夜中必ず1回は起き、朝から晩までノンストップの育児をしていたので相当疲れがたまっていたのだと思います。もしかすると軽度の産後うつだったのかもしれません。

そんないっぱいいっぱいの状況で、やりたいこと、好きなことと言われても思いつくはずがありません。

やりたいことが体の奥底から出てくるにはある程度の「余裕」が必要

余裕を生むためには、まず体の疲れをとること、心身リラックスすること

それが大切なのではないかと思っています。

私はそのことに気が付かず、自由時間=やりたいことをやらなきゃ

と勘違いしていました。

産前バリバリと仕事や趣味に打ち込んでいた双子ママほど、自由時間があるとものすごく効率よくあらゆることをこなそうとしてしまうような気がします。私もそんな一人です。

でも、自由時間が取れたからといってすぐにアクティブに動き出すのではなく、まずはゆっくりと疲れを取り、心身をいやして、そうしてじわじわ湧き出てくるやりたいことを1つ1つ実現させていく、くらいのペースがちょうどよいのかもしれませんね。

私の夫が「やりたいことをぼんやり考える自由時間が必要だね」
と言っていました。本当にその通り。

社会復帰、といういい方は変だけども、子どもと離れて過ごす時間を持つ、ということにおいても、のんびりゆっくりのマイペースでいくくらいがちょうどよいですよね。

1人時間デビューの双子ママさんがどうか、穏やかに豊かな時間を過ごせることを願っています。








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