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Le Petit Prince

『いちばんたいせつなことは、目に見えない』

昨年末のクリスマスイブを挟んだ3連休に珍しく風邪をひいて寝込んでいた。そんな時期なので少し特別感のある、心にひっそりと灯りのともるような話が読みたくて選んだ話が『星の王子さま〜Le Petit Prince』

子供でも読める、でも、大人でもわからない。
読むたびに、その時々の状況に合った一文に心の琴線が触れる、そんなお話。私にとっては、いつもはそっとしまってある宝箱の中のたからもの、みたいな感じかな。

『もしも誰かが、何百万も何百万もある星のうち、たったひとつに咲いている花を愛していたら、その人は星空を見つめるだけで幸せになれる。〈ぼくの花が、あのどこかにある〉って思ってね。でも、もしその花がヒツジに食べられてしまったら、その人にとっては、星という星が突然、全部消えてしまったみたいになるんだ!それが重要じゃないって言うの!』

そう、誰かを好きになるのって、こういうこと。
夜空を見上げれば同じ月の光に照らされているかもしれない人を思う。音楽を聞けば好きな人と一緒に聞きたいって思う。色々な事象の裏に好きな人の面影が映る。

いい年をして、『星の王子さま』?って思うかもしれない。

若い時は、人生に未知数の要素が多かった。就職のこと、結婚のこと、どんな家族をもつか、どこで暮らすか…。
でも今は未知数はだいぶ埋まって残りの人生を歩く軌道も見えてきた。それは日々を繰り返す平坦な道かもしれない。それでも、景色が色褪せてしまうかどうかは、自分次第。その旅が、一瞬の風が吹き抜けるように、景色があざやかに彩られるものであるように、そんな手段を持って歩いていきたい。

心の中に、暖かい色の灯りがともるようなファンタジーを持っているのって、悪くない人生だと思うのだけれど。