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ChatGPT Claude3 で文章を編集・校正するプロンプトに苦戦したのでいろいろ検証したメモ

ChatGPTやClaude3にて文章の編集や校正を行っているが、思った通りに仕事してもらえなくてモヤモヤすることが多いので、色々検証して考えてみた。

編集・校正の言葉の定義

LLMは大量の言語データを学習しているので、そもそも言葉の定義をどのように理解しているのか確認する必要がある。

で、「編集」とか「校正」とか言う言葉が何を意味しているのかを再確認。主に出版業界等で使われている言葉の定義を調査。

  • 整文

  • 編集

  • 校正

  • 校閲

整文、編集、校正、校閲はいずれも文章を改善するための作業ですが、それぞれ少しずつ意味合いが異なります。

  1. 整文(せいぶん):文章の構成や表現を整えること。文章全体の流れを滑らかにし、読みやすくすることを目的とします。

  2. 編集(へんしゅう):文章の内容を吟味し、必要に応じて加筆、削除、修正を行うこと。文章の主旨を明確にし、読者にとってわかりやすく伝わるようにすることを目的とします。

  3. 校正(こうせい):誤字脱字や句読点の誤りなど、文章の細かい間違いを見つけて修正すること。文章の正確性を高めることを目的とします。

  4. 校閲(こうえつ):文章全体を通して、内容の妥当性や整合性を確認すること。事実関係や専門知識に基づいて、文章の信頼性を高めることを目的とします。

これらの作業は、文章の質を向上させるために重要であり、状況に応じて適切に使い分ける必要があります。

一般的な編集作業では、1〜4の順番で実行される。

整文、編集、校正、校閲のプロンプトを使ってみた結果

同じ文章を「整文、編集、校正、校閲」のそれぞれのプロンプトを与え、claude3にリライトしてもらった感想と、使い分け方。

以下は、提示された文章を整文、編集、校正した結果と、それぞれの使い分けについての感想です。

所感

  1. 整文:ケバ取りを行い文章を整えるくらいのイメージ。音声入力で作ったテキストを、内容を変えず、とりあえず読めるテキストに整えたいくらいのときに使える。

  2. 編集:文章の構成や言い回しなども修正される。文章を改善したい場合に使えるが、原文の文体や構成が書き換えられる。

  3. 校正:誤字脱字や句読点の誤りなど、文章の細かい間違いを見つけて修正することだが、LLMの場合は「整文」「編集」の指示でも「細かい間違いを見つけて修正される」。
    あえて、別の作業と「校正」を分けて実行する必要はない。むしろ、「誤字脱字や句読点の誤り"のみ"」を修正してもらいたいときに使える。ChatGPTの場合は「校正」と指示しても「編集」してしまう。

  4. 校閲(こうえつ):確かに誤った英単語などの修正をしてくれるが、これもだいたい1000文字から2000文字の範囲で入力した場合のみ。長文を読み込ませた場合は細かい単語のチェックはなされず、全体の構成とか、その繰り返しや品質、回数が多い単語などに絞って校閲がなされる。
    おそらく全体の文章の中で本当に1000文字読ませて1箇所修正できるぐらいの範囲なので、全文書き起こしてもらうより、修正できるポイントだけ書き出してもらって自分で修正を入れた方が早いんじゃないかと感じている。
    ブログの執筆で言えば、もうほとんど記事を書き終わって、最後に公開する前に念のため遂行するそのような段階なので、わざわざ全体を読み込ませて全体を書き直させる使い方は向いていない気がする。
    校閲に関しては、そのまま書き換えてもらうよりも、ポイント修正ポイントを出してもらって指摘してもらい、その中から自分で指摘ポイントを選んで反映させるかどうかの判断と作業を実行した方が良い。
    例えば、作りたい文章や文体によってアドバイスが最適ではないものもあるし、根拠を示すみたいな指示があったところで、結局Claude3はWebにアクセスできないので、修正ポイントがスルーされてしまう。
    文章の内容の間違いを確認したい場合は「校閲」でなく「間違いがないかチェックしてください。」のように具体的に指示したほうが出力が良い。
    ただし、情報の正確性を確認するのであれば、Claude3よりChatGPTの方がいい。

プロンプトを使い分けを決める参考

整文:
整文は、文章の内容を変えずに読みやすくするのに適しています。音声入力で作成したテキストなど、とりあえず読めるようにしたい場合に使えます。

編集:
編集は、文章の構成や言い回しを修正するため、文章を大幅に改善したい場合に使えます。ただし、原文の文体や構成が変更されるため、意図した雰囲気と異なる可能性があります。

校正:
校正は、誤字脱字や句読点の誤りなど、文章の細かい間違いを修正するのに適しています。ただし、LLMの場合は「整文」や「編集」の指示でも細かい間違いが修正されるため、わざわざ「校正」と指示する必要はありません。

校閲:
校閲は、長文の場合、細かい単語のチェックはされず、全体の構成や繰り返し、品質、頻出単語などに絞ってコースがなされます。修正ポイントを指摘してもらい、自分で判断して反映させる方が良いでしょう。ただし、Claude3はWebにアクセスできないため、根拠を示すような指示には向いていません。

Claude3の入力および出力における文字数制限について

同じ指示でも入力する文字数によって精度が変わるので、実際にどのくらいのインプットを与えたらいいかテスト。

claude3は高性能な対話型AIシステムですが、入力と出力に関していくつかの制限があります。

入力文字数は2000文字以内が適切な範囲です。この文字数内であれば、claude3は与えられた情報を十分に理解し、適切な応答を生成することができます。一方で、2000文字を超える入力も可能ではありますが、その場合は応答の精度が低下する可能性があります。極端な例として、2万文字もの大量の文章を入力した場合、claude3はその内容を正しく理解することが難しくなりました。

出力文字数は通常4500文字程度で制限されています。より長い出力が必要な場合は、「続きを出力してください」というプロンプトを送ることで、追加の文章を生成させることができます。

ただし、4500文字以上の出力を一度に得たい場合は、プロンプトにその旨を明示的に指示する必要があります。例えば、「出力が複数回になっても構わないので、全文を出力してください」といった指示を与えることで、claude3は制限を超えた長い文章を生成しようと試みます。

以上のように、claude3の入力と出力には一定の制限がありますが、それらを理解した上で適切なプロンプトを与えることで、その能力を最大限に活用することができるでしょう。長い文章の生成が必要な場合は、プロンプトでその旨を明示することを忘れないようにしましょう。

追記:推敲してください

下書きの文章を整形してもらうプロンプトとして「校正」か「編集」かで迷ってきたが、その間を取るちょうどいい編集の塩梅が「推敲」になる可能性があるので追記。

  • 校正:ケバ取りや誤字脱字の修正のみ→文章の改善には物足りない

  • 編集:文法や表現の修正まで行われる→原稿が大幅に書き換えられてしまい筆者の言いたいことが削られたり、文量が半分程度まで要約される

この間くらいの編集レベルに「推敲してください」が位置するかもしれないことを発見。理由はよくわかっていないが、校正+αの文章改善がなされつつ、編集ほどは元の原稿を崩さない。

推敲は文章がほぼ完成していることを前提とした改善作業にあたるので、原文を尊重し、文意を変えない範囲で修正されるのかもしれない。

試してみてください。

あと、試してみた感想とかシェアしていただけると、みんなのプロンプトの改善につながるので助かります。



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