コンビニ清涼飲料水売り場の法則
『コンビニ清涼飲料水売り場の法則』
僕が女性だけではなく、男性の俳優さんも推すようになったきっかけの話。
僕は青春映画が好きだ。
青春映画には若手のフレッシュな俳優さんがキャスティングされることが多い。そして、好きな俳優さんが出演する作品を観に行けば、ほぼ必ず恋する相手の俳優さんがいるのだ。
いろいろな作品を観るうちに、男性の俳優さんのことにもだんだん詳しくなっていくことに気づく。
というよりもむしろ、ずっと同じ女性の俳優さんを追いかけているがゆえに、相手となる男性の俳優さんのほうが、いろいろなバリエーションの方を目にするようになっていた。
そのある日も、ずっと応援している女性の俳優さんが主演の作品を観に行った帰りだった。
何気なく寄ったコンビニの飲み物売り場を眺めていて思った。
僕はお酒が飲めない、ジュースもほとんど買わない、水は家で飲むので、買うとしたらお茶かコーヒーだ。
「売り場全体の面積に対して、俺が対象の部分めっちゃ少なくね?」
ジュースを選んで買ったり、好きなお酒があったりしたら、これ10倍は楽しい売り場じゃん。
それに気づいたときに、ふと青春映画のことが頭をよぎった。
「あれ、これ男性の俳優さんを推したら倍楽しくなるのでは?」
「それはそうだけど」となかなか共感の得られないこの出来事だったけど、始めてしまえばトントン拍子に気持ちは進んだ。
というより、女性の俳優さんを追いかけていたら、そこで共演していた男性の俳優さんと、別の作品で再会する可能性がめちゃくちゃ高かったのだ。
そして男性の俳優さんを推し始めると、別の素敵な女性の俳優さんが相手役として登場する。なんという永久機関!
「いままでの自分はパピコ買って半分捨てて食べてたようなもん。」
という渾身の例えも思いついたけど、あまり共感を得られなくて自信がなくなったので2回くらいしか言っていない。
これが今後も共感を得られるか得られないかは置いておくとして、自分で「対象じゃないから」と可能性を狭めてしまっていることはあるかもしれないなと思った。
先日、15年ほどぶりにレコードプレーヤーを買った。
レコードのお店が、通りすがりに眺める店から、自分が対象の店になった。
心の清涼飲料水売り場の鮮やかさが若干増したのを感じる。
大人になると、意外といろいろなものに興味を持つっていうことが難しくなっていくらしい。
でもそんなの関係ない。まだジュース好きの扉と、お酒好きの扉が心のどこかに残っている気がしているのだ。
コンビニに行くたびに今の自分はこの清涼飲料水売り場の何割くらいの精神状態なんだろうと答え合わせするのも楽しい。今でもだいたい買うのはお茶かコーヒーだけど。
『コンビニ清涼飲料水売り場の法則』
とにかくたったひとつの簡単なオススメだ。
自分と関係ないと思っていたもの。推してみ?
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