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“何もしない” ができない、


気づいたら、私たちは常に何かをしている。
何かをしていないと、不安になって嘆くこともある。
どこかで「生産性のある何か」をしなければいけないと思う。

それは、時代のせいか?
“何か”に追われて、自分は”何なのか”を忘れてしまう。

『何もしなくて、いいんだよ』
そう包み込んでくれる場所や時間はきっと、大切な何かへと繋がっている。

"何もしない"

そんな時間を好きになれる、
そんなあなたを、肯定できる場所でありたい。

とけていく、バターのように。
時間と心が、人と人が、とけて、かさなる。
ただいまと、おかえりが、とけて、かさなる。
ため息を、とかして、深呼吸を。



... そんなコンセプトをかかげる、
『BUTTER tokyo』という場所がある。

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書き手:キルタ(Flat Share Magazine)



今年の4月に完成し、
現在は予約制でプレオープン期間となっているシーシャカフェ。
『BUTTER tokyo』について紹介したい。


ある日、友達の大輝から
「新しく場所をつくることになった」から相談がしたいと、連絡があった。

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大輝は yutori がきっかけで出会ったとても陽気なやつで。
根暗な僕でも信頼できるしつこいくらい太陽みたいなやつで。
歳上なのに常に腰低いし、
何度でも言ってくる「ありがとう」が、挨拶ではなく本音なのがわかる。

彼はずっと音楽活動をしていて、けどその夢を諦めていた
その後、友人と服のブランドを立ち上げたり、
映像制作をしていたり、YouTuberを目指したりもしていた。

そんな彼が今度は、場所をつくりたいという。


そこにどんな想いがあるのか、
その背景はぜひクラウドファンディングの文章を読んでみてほしい。



彼らから相談されたのは、
この『BUTTER tokyo』という場所をどう周りに発信していけばよいのか。
いわゆるどうPRをしていったらよいか、というものだった。

シーシャカフェであることは手段としてであって、
「ため息ではなく、前向きな深呼吸を」してほしいと彼らは話していた。


裏側の話なので細かい事は割愛しますが、
そこで話したのは、
誰もが決して「前向き」にならなくてもいいのではないか
ということ。

「一歩前に進む」とか
「みんなで繋がろう」とか

プラスになることを常に強制してほしくない、
マイナスならゼロになるだけでもいい、
マイナスである自分を許せるだけでもいい、

そんなスタンスがあっても良いのでは?ということ。

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最近、仕事で地方に行くことが多かった。
そんな時「幸せだな」って感じる瞬間がだいたい、
ただ "何もしてない" ときだったりする…

自然の中にいれば、自分より早く動くものが視界になかったりする。
都市にいると、何もかも目に映るものの速度が早すぎて、置いていかれそうになる。

いる場所はどっちでもいい、
“何もしない” という時間に僕たちは不自然なくらい不慣れだ。


「今日は、何もしてないや。」と嘆く人はいても、
「今日は何もしなかったぞ!」と気にも留めない人はどれだけいるのだろうか。

何もしなかったことを悲観してしまいがちな日々。
どこかで「生産性のある何か」をしなければいけないと考えてしまっていないだろうか。


Doing nothing often leads to the very best of something.
「“何もしない”が、いつか最高な何かに繋がっていたりするんだよ」

という「プーさん」のセリフの中でも有名なこの名言を、たまに思い出す。
名前も偶然『BUTTER tokyo』で、ロゴも店内のキーカラーも黄色だった。

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”何もしない” を肯定する事業として進めてみたらどうか、
僕がその時に返した言葉は、ほんのそれくらいかもしれない。




... 完成したお店に行ってみた。

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最高の空間だった。


隠れ家のような道の先に、ひっそりとした入口を抜けると、
目の前に、焚き火がある。
(正確に言うと焚き火ではなくバイオ燃料を使用した暖炉だけど)

他のお客さんはいるけど、
席の設計のせいか、とても親密に会話もできる。

1人でいれば、火の揺らぎを眺めながら、
時間が溶けるようにボーっとしてしまうくらい居心地が良い。

スタッフの空気感も染み込んでいて、
まだできて間もないけれど、
どこかに、今までずっと見てきた大輝のぬくもりをお店に感じた。

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 『ああ、場所はコンセプトではなく、
 人によってつくられるというのは、こういうことなんだな』

と、改めて教えてもらった。


そして最近は
シーシャカフェとしては初?となるかもしれない
YouTubeを『BUTTER tokyo』としてはじめたらしい。

まさに、彼がこれまでやってきた音楽と映像と、
人との繋がりが集大成となっているようにも見える。


そんな彼をはじめ、
頼もしいスタッフがつくるこの場所を少しでも知ってほしくて書きました。

予約は公式LINEからできるそうです。


ぜひ ”何もしなくていい”ので、
訪れてみてください。

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