誕生日

21歳になった。なったというけれど、誕生日がやってきただけ。祝われることに、いつも戸惑いを覚える。

「誕生日　なぜ祝う」

いつかは忘れたけど、調べた記憶がある。それっぽい答えはあった。でも、どれもしっくりはこなかった。

おめでとう、と連絡をくれた人もいる。わざわざ電話をくれた人もいた。ありがとう、とラリーを返す。嬉しいけれど、拳銃を向けられているのかも。

｢こちらの誕生日の時に、ちゃんとおめでとうを送りなさいよ、｣って。

高校生の時も思うことはあった。誕生日だからとプレゼントをくれる人がいた。でも、そういう人は2種類いる気がして。見返りを求めない人と見返り目当ての人。

見返りを求めない人は、自分に自信がない人。プレゼントで喜ぶ姿を見る。その姿を見て、自分の価値を再確認している。

見返り目当ての人。言うまでもない。ただの布石。きっかけにすぎない。お返しを注文してきた時は、正直びびった。あまりいないけど、いるんだなと思った。

とは言っても、ほとんどの人は拳銃パターンではない。他人の誕生日を覚えている方が珍しい。連絡をくれた方、ありがとうございました。

９年後は30歳という事実。
その事実に震えながら、生きていく。