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猫の集会の、たぶん議題に上った私

(写真は、ジャン・ブレッド作 ほるぷ出版「ぼうし」から)

これも以前少し書いた記事です。二回目の人ごめんなさい。
  
昔、ヴァイオリンを習っていました。といっても大人になってからです。普通ヴァイオリンと聞くと、あのヴァイオリンの音を想像しますよね。でも
その当時の私のヴァイオリンの音を例えると、力が入った時は、のこぎりをひく「ぎこぎこぎーぎー」という感じ、逆に力が抜けると
お豆腐屋さんやラーメン屋さんのチャルメラが壊れたような「ぱぁ~ふぅ~」という音でした。

そしてそんな音を出しはじめた夏の午後のことです。
当時住んでいた家は練習する部屋に、はき出し窓があって、そのまま庭に出られるようになっていました。庭には数匹の猫が入れ替わりよく遊びに来ていました。私は特に猫好きではなかったのでエサをやったりはしていませんでしたが、かと言って、よく猫嫌いのおじさんがする「しーっ」と追っ払ったりもしませんでした。

「あら、こんにちは」という感じの距離感のおつきあいでした。

その日は暑くて窓をあけていました。そしてヴァイオリンを取り出して練習しようと思った時、猫がいつものように庭に来て、網戸の直ぐそばにやってきました。そして、興味深そうに私の方をじっと見ていました。
私は「あら、私のヴァイオリン聞きたいのね」と言って、一応猫と目と目で話し、許可をいただいてから、ヴァイオリンを取り出し、肩当をつけ、弓に松脂をつけ、準備をしていました。猫は、いったい何が始まるのかという感じで、本当に興味津々な感じで私から目をそらしませんでした。

そして弾き始めたとたん、

今までくつろいで私を見ていた猫は急に体を硬直させ、それとほぼ同時に猛ダッシュで逃げていきました(;'∀')

その逃げ足の速かったこと!この世であんなに速く走る猫はいないというほどのスピードでした!!!

そして、その頃、ちょうど近所の方が「猫の集会」を見たという話をしていて、へえそうなんだと思ったのですが、なんとなんと
それ以降、数年後にその家を引っ越すまで、一度たりとも、私のヴァイオリンを聞いた猫も、そして驚くことに他の猫も、我が家の庭には来なくなってしまったのです。(ご近所には来ていたんですよ!)

猫の集会って、見た方によると、「ニャー」と声を出して話しているわけではなさそうですよね。ということは、テレパシーで、私のヴァイオリンの音のことが伝わったということですよね(;'∀')
「あの家には近寄るな危険だぞ!」というメッセージが伝わったのだと思います(-_-;)

その数年後、少しましなチャルメラの音を出せるようになった頃、試験のない誰でも入れるオーケストラにいれてもらいました。そこで、先輩がやはりチャルメラの音の時代に、河川敷で練習していたら、なんとなんと「魚がはねた」らしいのです。

これを聞いて、ああ、音は振動、波動で伝わる。そして音色は波形なんだなと理解しました。へたくそなヴァイオリンというのは、波形が乱れに乱れていて、聞くに堪えない
人体、いえ猫体にも、お魚にも有害だということなのでしょう。
あの時の猫ちゃんには、ほんとごめんなさいです。

でも私は一生、いえ生まれ変わってもヴァイオリンの音は出せそうにありません(~_~;)

読んでくださって本当にありがとうございます。

良い日になりますように♡


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