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ご縁の不思議

最近の記事でよく書いてる「イギリスの田園からの贈り物 サリー・ホームズ トレイシー・ウィリアムソン 講談社」の翻訳をされた中村妙子さん(99歳)のインタビュー記事を読みました。

中村さんは、お父様が東京,大森教会の牧師をされてたそうで、翻訳家の村岡花子も当時大森に住んでいて、お父様の牧する教会に出席していたそうです。
そこで、子供時代に村岡花子訳の「王子と乞食」を贈られ、夢中で読んだということを知って「わぁ~、全部つながってるんだ!」とちょっと感動してしまいました。

しかも、お母さまが、歌人でアイルランド文学の翻訳家をしていた片山廣子(松村みね子)と知り合いだったそうです。

そういう色々が重なり、中村さんは翻訳の仕事を意識するようになったそうです。

村岡花子が、関東大震災で夫の印刷会社の崩壊、たくさんの従業員や身内を亡くし夫も体調を崩し、その三年後5歳の息子を亡くし、深い悲しみに打ちのめされ、生きる気力を失いかけた時に、片山廣子が花子に送ったのが、

マーク・トゥエイン著 「王子と乞食」の原書だったのです。

このことは、「MOE」(白泉社)で読みました。

花子は「王子と乞食」の面白さに惹きこまれ、喪失感を埋めるように訳し続けるうちに、「日本の子どもたちに上質な物語を紹介したい」という思いがふつふつと湧き上がってきたそうです。

そのことが、「いたずらきかんしゃ ちゅうちゅう」や「赤毛のアン」をはじめとするモンゴメリ作品などの翻訳にもつながっているわけですから、
もしも、片山廣子が村岡花子に「王子と乞食」を送っていなかったら、「赤毛のアン」も、中村さん訳のドロシー・ワーズワースも読めなかった かもしれないと考えると、なんだかすごいなと思います。

片山廣子や村岡花子、中村妙子さんなどの個人に感謝する気持ちと同時に、見えない大きな流れのようなものに対しての感謝の気持ちが自然に湧いてきます。

たくさんの人に影響を与えるこういう有名な人の話だけではなくて、例えばnoteで出会うご縁なども、本当に不思議で、そしてありがたいことだなと、
今、しみじみ思っております。

それでは今日も深い呼吸を意識して、リラックスして過ごしましょう。

読んでくださってありがとうございます。感謝です。




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