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「よあけ」

「よあけ」
(ユリー・シュルヴィッツ 作・画 瀬田貞二 訳  
福音館書店)
とても好きな絵本です。
このところ、この本を連想させるような記事が
次々に私の目に入ってきて、
あふれてきたので書きます😊

本当は、今、皆さんに「心を込めて淡々と」
読んで差し上げたい気持ち。
その静かな贅沢な時間を皆さんと共有できたら
どんなにいいだろうと思います。
いくら私があれこれ書いたところで、
この本の良さは伝わらない。
それでももしかして知らない方がいたら、
手に取っていただきたいなと思いまして。

「うれしい気持ちの育て方 
絵本と私とシュタイナー」
(松井るり子 ほるぷ出版)
の中の言葉を借りれば、瀬田貞二訳の
「格調高く美しい言葉」に触れることができる
絵本のひとつです。

絵本はすべて平仮名でかかれていますが、
この本に漢字の表記があったので、引用してみます。

「月が岩に照り、
時に木の葉を煌めかす。
山々が黒々と静もる」

「しずもる」は、
「静まる、鎮まるに同じく、沈むようにする。
物音などを低くする。
明治時代の歌人による造語」だそうです。

「オールの音、しぶき、みおを引いて」の
「みお」は「澪」「水脈」の掛詞になっています。

シュルヴィッツの絵と合わせ、
声に出して読んでみると
湖のほとりの「よあけ」の空気が感じられ、
自然と呼吸が深くなります。
この宇宙の神秘を見事に表現しています。
希望の見える本です。

同じくシュルビッツの「あめのひ」
(矢川澄子訳、福音館書店)の原語も
引用してみると、

Waves billw and roll,
おおなみ こなみ

Rush, splash and surge,
さかまき とどろき しぶき

Rage, roar and rise.
どぶり ざぶり ごうごう

辞書の言葉ではなく、このなんとも言えない
日本語としての自然なリズム、
矢川澄子さん、素敵すぎる💚と思いませんか?
そして最後の一文を知った時、
私はもう倒れそうになりました(笑)
原文は「I know it」
それを矢川さんは「ごらん」と訳したのです!!!

もうただただ感動します。

すごい人ほど、「自然」で
すごい人ほど、脱力ができているのは、
何の世界でも同じですね。
あ~つい力がはいってしまう私は、
どこまでも未熟者だわ~とこういう絵本を読むと
思い知らされます。
でもそんな自分を受け入れます😊

セーラー出版

韓国のこの絵本の中で、主人公のマンヒが
お母さんに読み聞かせをしてもらっている
とってもとっても
可愛い場面があるのですが、
その絵本が「よあけ」なんです。
作者のクォン・ユンドクさんに会いたくなります😊

こういうこともすべて
松井るり子さんの本で知りました。

M.B.ゴフスタインの絵本も好きです。

「彼女の仕事は、ちょうど陶器のように、
ちょっと見ただけでは解らない味わいがある。
表面の繊細さと壊れやすさの奥に隠れている芯は、
驚くほど強い。」(ワシントン・ポスト紙)
と言われるゴフスタインが、
ご主人に捧げた本。
無条件の愛が詰まった本。
「To my husband」と書かれた
「ブルッキーのひつじ」(谷川修太郎 訳
ジーシープレス)の中の1ページを
Chappyさんに送ります。


ベランダから見た昨日「夕暮れ」の月は皆さんに💚

タイトルを「よあけ」に変更したのは、
なんとなく今、
皆さんにとっても私にとっても、
より良い時代の「よあけ」が来ている気がしたからです。

読んで下さってありがとうございます。

良い一週間になりますように♡













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