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もふもふКукериクケリのこと🇧🇬

はじめましての投稿は自分が世界(主にヨーロッパ)のお祭りの仮面や装束にのめり込むきっかけになったКукериクケリのことを書きたいと思います。

2013年に発行されたフランス人写真家のシャルル・フレジェの写真集『WILDER MANN』で紹介された、ヨーロッパのキリスト教前からある祭の野生的な仮面装束がSNSで話題となりました。その中でも見た目のインパクトからブルガリアのバブゲリという装束に注目が集まりました。  (下記写真がバブゲリ2018年撮影)

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以前から芳賀日出男の写真やナショナルジオグラフィックで野生的な仮面装束を目にしてはいたもののフレジェの『WILDER MANN』の背景から日常を排除し、仮面装束が浮き彫りにされた写真を目の当たりにした時には今までにない大きな衝撃を受けました。

しかし、ビジュアルとしては目を惹きますが、フレジェは古くから続く仮面装束をファッションの延長、被写体としての興味しかなく、神事自体に敬意や配慮が足りない印象があります。そこはとても残念でなりません。それでもフレジェの作品のインパクトと影響力はとても大きく、私自身、ブルガリアまでクケリを訪ねるきっかけの一つになりました。

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フレジェの写真があまりにもSNSで話題になったため、ブルガリアだけではなく他の国の装束でもクケリと呼ばれているのを見かけるようになり言葉だけが一人歩きしている感があります。フレジェ自身は一言もクケリとは記載していないんですけどね。SNSの広がり方は不思議です。

そもそもクケリとは何者なのか?

「クケリ」はブルガリアの冬の行事に登場する来訪神のことで、複数形がКукериクケリ、単数だとКукерクケルとなります。つまりクケリという言葉はブルガリアにたくさんいる冬の来訪神の仮面装束の総称で、個々に「バブゲリ」のような呼び名があります。そして様々な国の各季節に色々な仮面装束が登場しますが、クケリはあくまでもブルガリアの冬の行事に登場する仮面装束を指します。日本の青森県のナマハゲと役割は似ています。

この辺りについてはFlâneur vol.4に詳しく書いてありますのでご興味のある方は是非ご一読頂けると嬉しいです。

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次回はルーマニアの熊踊りと資料用に集めているヨーロッパを中心とした仮面装束にまつわる書籍について書きたいと思っています。