【トランジション】~モーフィングmorphing~

モーフィングとは、一つの形が別の形に変形することを呼びます。
質の高いモーショングラフィックスなどでは、必ずと言って良いほどこの技術が活用されているのではないでしょうか。

このモーフィングの技術は、モーションデザイナーにとっては難しい技術の一つですが、同時に、とても魅力的な技術の一つです。

今回はそのモーフィングの効果的に使うための考え方について書きたいと思います。


モーフィングを使う効果と理由

モーフィングは高度な技術な分、それだけで視聴者の関心を引く技術です。
安易な言い方にはなりますが、派手であればあるほど、視聴者の関心度も大きくなります。

映像を見て「面白い!」と感じさせるためには「驚き」が必要ですが、モーフィングはまさにその驚きを与える技術です。
ただの四角形がビルのイラストになったり、ただの車だと思っていたものが、ロボットになったり...。

ストーリー上の効果的な「サプライズ」は、視聴者の心を揺さぶる重要なエッセンスとなります。

また、形が変わるということは、そのモチーフが表す意味合いが変わるということなので、ストーリーの転換やターニングポイントとしても機能させることができるということになります。
モーフィングは、ただ単に「なんかかっこいい」というだけの技術ではなく、「ある意味から別の意味に変える表現」でもあることを頭の片隅に置いておきながら取り入れる必要があります。

モーフィングを使った例

例えば、今では利用が当たり前になった「お財布携帯」をテーマに例を作ってみました。(パンパンの財布に入ったカードや小銭がスマホ一つで完結した時大きな転換期でしたね。)

ここアニメーションでは、財布がスマホにモーフィングしています。
これによってスマホは「ただのスマホ」ではなくなり、「お財布の機能がある」という意味を含んで視聴者は見ることになります。

ただスライドさせて2カットを見せても、それは別々のシーンを見せているだけで、視聴者に与える印象や意味合いはとても薄いものになりますよね。
モーフィングが持つ特有の効果やメッセージの違いが分かると思います。

ただのスライドだと、文字やナレーションぎなければ、別のシーンに感じられる。

マッチカットであっても表現できますが、マッチカットは別の図形的な一致や動きの一致などの関連がなければ効果は薄れると思います。(今回は財布とスマホの図形のシンボル的に見せたいわけではないし、動きに関連性を持っている訳でもない。)

スライドよりマシだが、意味合いとしては効果が薄い。


モーフィングを効果的に使うポイント

もちろん今回ご紹介したものは一例ですので、使われるポイントや意味合いは人それぞれです。
全シーンにモーフィングの技術が入っている映像もたくさんありますし、音楽に合わせてリズム的に使う映像もあります。

ただし、技術には何かしらの「言語」が伴っていると考えると、それなりに説明のつくポイントで使う必要があります。特にクライアントワークでは、自分で計画した表現に都度説明を求められます。

そこで、モーフィングを効果的に使うポイントとしては、大きく2つあるのではないかと考えました。
①(大なり小なり)話が転換するシーン
②視聴者の興味を惹きつける必要のある冒頭や終盤など

この2点は、演出方法として「この技術を活用できるかも?」と検討してみるのもいいのかもしれません。

皆さんはどんな使い方をするのが効果的だと思うでしょうか!

まとめ

今回はトランジションの技術におけるモーフィングについてご紹介させて頂きました。皆さんの制作に置いて何かのヒントになれれば幸いです!


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