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🧠【怖い体験】由比ヶ浜で迷子になった話

昔急に思い立って由比ヶ浜に出かけたことがある。

その時ワイは携帯電話を持っていなかったので、最寄り駅に行き掲示板を見てどう乗り換えたら由比ヶ浜にたどり着くかを覚えて向かった。

無事由比ヶ浜に着き、観光やら海やらを満喫し、大分日も暮れてきたので帰ろうと思い駅に向かったわけだが、スマホも地図もないのでとりあえずここまでの道のりをスペシャルな頭で思い出しつつテキトーに歩き始めた。

15分ほど経ち辺りは一面真っ暗になってしまった。
その上、道を間違えたのか周りにいた人影が一人一人家に消え、ワイの目の前には真っ暗でバカでかい山がそびえ立っていた。

突然、恐怖がワイの心を占領した。
土地勘のない場所で電灯もまばらで人もおらず目の前にはでっかい真っ暗な山。

このまま進んだら山の中に入ってしまう。

そう思ったワイは恐怖のせいでバクバクやかましい心臓を押さえつつ早足で元来た道を引き返した。

しばらくすると1台のバスを見かけた。電光掲示板には『由比ヶ浜駅』と書かれている。
これ幸いとワイはそのバスに駆け寄り乗り込んだ。

そしてそこから1時間以上かけて帰宅したのだ。

帰宅してあったかいコーヒーをすすって座椅子に座っていると、ふと帰る場所があるありがたさを心底感じた。

由比ヶ浜は日本だし言葉も通じるしあのまま遭難なんてことは万に一つも有り得ないとは思うが、あの時ワイが感じた恐怖心はその万に一つに値するもののような気がした。

上手く言い表せられないが、人混みにいるのに一人ぼっちだと感じてしまうあの上京したての感じに似てなくもない。

この体験から人間には帰る場所ってのがとても大切なのだなとワイは思っている。

みんな帰る場所があるから心穏やかでいられるし、もしその大切な場所を失う可能性があるとしたら攻撃的になってしまうことだろう。

今所属しているコミュニティを大切にしたいと思った。
飛躍しているかもしれないがそれは自分のアイデンティティに関わるものだから。


あの真っ暗な山に住む神様が傲慢人間代表のワイにこの事を教えるために呼び寄せたのかどうかは分からないが、何年も前の出来事をここまで鮮明に思い出せるという事はワイにとってとても衝撃的な出来事だったことは間違いない。


めでたしめでたし

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