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「アドバンテージ」というカードゲームの概念が、人生ですごい役に立った話

カードゲームに「アドバンテージ」という概念がある。この概念を人生の初期で知れたのはとても運がよかった。現実世界の多くの物事は、アドバンテージの応用で解決できたからだ。

自分でゲームを作るなら、アドバンテージの取り合いのゲームにしたい。まずは考えを整理するためのメモ。

・アドバンテージとは「生じた状況の有利さ」
・手札数や行動力など複数のアドバンテージからテンポをとる
・テンポをとれば、自分主導で状況をつくれる


アドバンテージとは何か?

アドバンテージとは、「相手よりどれだけ有利な立場にいるか?」を表すカードゲーム用語だ。

「アドバンテージがある」イコール「有利」と考えてもよい。

ただしアドバンテージは、得点のような単一の指標ではない。得点の多さ、手札の多さ、行動力の多さ、盤面の有利さなど、様々な角度のアドバンテージが存在する。

アドバンテージを意識することは重要だ。なぜなら、アドバンテージを持っているというのは、単なる得点上の有利ではないからだ。アドバンテージをもっていれば、こちらが行動を決定しする。そして相手はそれに対応せざるをえない状態になる。究極的に全ての対戦ゲームは、アドバンテージの取り合いを行なっていると考えてよい。

これら複数のアドバンテージを統合して盤面を支配し、最終的にスコアなどで勝利をする。これが、ほとんどの対戦ゲームの構造だと思う。



以下、まずはざっくりメジャーなアドバンテージについて説明。


ハンド・アドバンテージ

相手より手札が多いアドバンテージ。手札が多いことは、取れる選択肢の柔軟さと、物量の両方を担保する。ただし手札は活用できなければ価値が薄い。現実世界では、施策の数、スキルの数、人間関係のネットワークなどにあたる。


カード・アドバンテージ

カード強さや処理効率。こちらの1枚の手札で、相手の2枚の手札を処理など。現実世界では、スキルの質や企画の精度、社員の質などにあたる。


マナ・アドバンテージ

相手より多くお金や行動ポイントをもっているアドバンテージ。強いカードを多く持っていても、実際に使えなければ意味はない。現実世界では、お金や時間などにあたる。


情報アドバンテージ

相手より多くの情報を持っているアドバンテージ。次にくる山札を知ってるとか、相手の手札を知っているなどの状態。行動の柔軟性や、先読みなど、テンポ・アドバンテージ(後述)の基盤となる。現実世界では、現実世界でも、そのまま持っている情報や知識の差にあたる。


テンポ・アドバンテージ

一番説明しずらい(曖昧な)アドバンテージ。ハンド、カード、マナアドバンテージなどの組み合わせであり、「いかに相手より効率よく行動しているか」のアドバンテージ。「手札が足りずに行動ポイントを余らせて終わらせる」とか「手札に見合う行動ポイントがなく行動できずに終わる」などが、テンポを失った状態。

「3マナ出せるようになったタイミングで、ちょうど手札にコスト3のカードがあり、しかもそれで相手のコスト3のカードを2枚処理できた」などが、テンポをとった状態という。

基本的には、個々のアドバンテージを統合した、より定性的なアドバンテージといえる。現実世界では、生産性や効率などにあたる。


ボード・アドバンテージ

実際のゲーム盤上での有利さのこと。色々なアドバンテージの差が積み重なって生まれた、確定した現実世界。(厳密には、相手を狙撃したり、カードを使い潰すなど、盤面を無視して勝利をねらうプレイングもある。が、基本的に多くのケースでは、テンポの差はこのボードアドバンテージに収束する)。

現実世界では、各種のアドバンテージのすえに形成された住環境、職場環境、人間関係などにあたる。


これを現実世界に適用すると…

以下のように考えることで、人生や仕事などにそのまま概念は応用できる。基本的には、「自分のどこにアドバンテージがあり」そして「どこにアドバンテージがないか」理解することが大事だ。

そのうえで、個々のアドバンテージはテンポとして統合され、そのテンポをもってして盤面を自分の制御化におくことが大事だ。

ちなみに人生においては、アドバンテージは他人に対してとる必要はない。むしろ、制度とか不条理といった負の環境そのものを敵とみなし、環境に対してアドバンテージを構築するべきなのかなと思う。



人間でもスタートアップでも、うまくいっているプレイヤーは、意識的であれ無意識的であれ、このようなアドバンテージを構築していることが多いように思える。

アドバンテージの概念で意識すべきなのは、個々のアドバンテージは、より統合的なテンポ・アドバンテージを生み出すパーツにすぎないということだろう。これを忘れて、手札の最大化や行動ポイントの最大化にこだわりすぎ、結局使い切れずにまけるプレイヤーが多い。手札も行動ポイントも、適量を越えれば生産性を下げる負債なのだ。

自分でスタートアップをグロースするするときは、いかにこのテンポを生み出すかを意識してる。(noteのカイゼン設計はテンポ重視のウィニーデッキそのままだと思う)。

ウィニーデッキは、ウィニークリーチャーを主体としたビートダウンデッキであり、カードを低コスト域に集中させ、大量のクリーチャーを高速で展開することを目的とする。弱点克服か早期決着のために、3マナ以上のカードが入ることもある。
M:TG Wikiより


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