キッチン風呂なし-2

キッチン風呂なしが最先端ライフ

この記事は、2025年における具体的な生活像を描写した「未来生活図鑑」の記事です。本記事の概要については以下よりご覧ください。
デザイン思考で考える2025年の近未来生活
未来生活図鑑トップページ

昭和には、各家庭にお風呂があることが当たり前になり、お湯を借りに行くなんていう行動をなくなって久しい。家には風呂があり、キッチンがあるのが当たり前だ。しかし、また近い未来に、その様子は変化することになるかもしれない。
近年では、都市部ではシェアハウスが流行っており、家のキッチンや風呂などの機能を友人などとシェアして生活をしている人が結構いる。今後、人口減少が加速する日本では、機能が都市に集積され、コンパクトシティ化していくのは、間違いないだろうと思われる。そして、シェアハウスで行っていたことを、街単位でする時代がやってくるのではないだろうか。

マイカーってなんですか?
すでに、近未来に標準化しそうな生活をし始めている若者が出現し始めている。お風呂は、トレーニングジムについている大きなお風呂。24時間利用可能だし、サウナだってある。食事は、調理済みの食品をコンビニで購入、もしくは外食だからキッチンもいらない。洗濯は、コインランドリーを使えば、タオルだってふわふわだ。つまり、彼らは、通常家にある機能を外部にアウトソースしているのだ。アウトソースすることで、大きな家に住む必要もなく家賃を下げられるし、家電等も取りそろえる必要なく非常に効率的だ。急な引っ越しだって簡単に対応でき、グローバルに生きられる。車を所有するという概念もないから、「マイカー」って言葉が通じないほどだ。シェアするのが当たり前、所有することは非効率的なことなのだ。
近い未来では、そんな生活スタイルに合わせた賃貸マンションなども出てきて不動産屋にいくと「最新のキッチン風呂なしです。」と紹介されるのだろう。
食事においては、日本だけでなく、東アジアで「キッチンのないアジア」化が進むと考えられている。日本家庭の食品支出に占める調理済み食品(外食、コンビニエンスストアを含む)の割合が70%になると言われている。(2010年は38%)これに対しては、冷凍技術やフリーズドライ、レトルトなど食品加工技術向上がもたらす役割は大きいだろう。家で自炊した食事よりも、おいしくて、栄養バランスが取れ、安いのであれば、誰もが間違いなくそちらを選ぶだろう。

この流れは若者だけのものでなくなってくるのではないかと思う。そう、シニアだ。今後も高齢化が進む中では、お金持ちシニアは高級介護マンションなどに住むのかもしれないが、そうではないシニアたちにとっては、街がコンパクトになり、街の機能をうまく使いながら生活することで、人々との接点も増え、生活に張りが出てくるのではないか。シニアのシェアライフが当たり前になってくる日もそう遠くはなさそうだ。


#未来生活研究会 , #2025年 , #間取り , #住宅機能のアウトソース , #シェアライフ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?