2023年へ
愛する幸せに満ち溢れたその年、
自分の弱さを知りました。
全ての始まりから一年が経ちました。
私は最強を披露した「原キー!?」の日です、その日から。
テレビ歌唱にある華やかさ、印象的な三人の笑顔。
心底この人たちは音楽が楽しいのだろうなと、こちらにまで笑顔が移ってしまうような、その日から。
こうして再び、「私は最強」を待っています。
あれから嬉しくて泣いたり、悲しくて泣いたり、悔しくて泣いたり、やるせなく泣いたり、死にたくて泣きました。
1月、FC入会。2月、ノアのチケットが当たる。4月の対バン、5月メトロック。6月コーク限定ライブ、7月ノア。8月アトランティス、ミュージックエスト。10月コーク、11月MTV。毎月のように、今を生きる貴方たちを目の前にしてきました。一年に3回も最前で貴方たちの音楽を見ていました。
懐かしい。青と夏の赤い糸、「ねえねえ元貴」と呼び掛けた時のあの顔も、覚えています。覚えているというのが正しいのか、忘れられないというのが正しいのか。時々、宝箱を開けて眺めるように、指先で撫でるように、愛おしんでいます。
しかしどれだけの幸せを積もうと、化物は死にません。
貴方たちは楽曲だけではなく、私に友達までくれたのに。全てを引き合わせてくれたのは貴方たちなのに、私はまだ自分の中の異物に呑まれ、落ちていきます。昨日の続きを生きられず、昨日呑まれた自分をトカゲの尻尾切りのように忘れて生きようとしています。
2023年、人生で一番楽しい年でした。
楽しかった分、些細な悲しみさえ苦しい無防備な一年でした。どうせいつか嫌われてしまうのに、期待することを覚えました。
傷付きたくない、悲しくなりたくない、寂しくなりたくないから、欲しがるばかりで何も手にしようとしなかったわたし。欲しがる時が一番気持ちよくて、満ち足りることがこわいわたし。
それでもそんなつまらない生き方しか出来なかったわたしが、今のわたしを見た時、「よかったね」と笑っている気がします。「ばかみたい」と泣いている気がします。どちらもわたしです、一歩違うだけ、選んだ道が違うだけ。良いも悪いもありません、あちらのわたしにしか分からない気持ちが、誰かへの優しさへと成る日があります。良いも悪いも、ありません。間違えも、逃げも、ありません。
12月30日、
第65回 輝く!日本レコード大賞。
「ケセラセラ」という曲は、言葉は、意味は。ケセラセラという曲を書く前のあなたがそうであったように、同じく生きていた私には耐え難い曲でした。それでも奇跡的に、その頃私は「なるようにしかならないなあ」と良くも悪くも、否定でも肯定でもなく、感じていた頃でした。タイミングがひとつ違えば、その音に身を委ねることは今でも出来ないでしょう。けれど突き放すことは出来ず、包まれてしまいます。悔しいですが、あなたの生む曲が好きです。誰のことをも突き放して生きてきた気がするのに、あなたにだけはできないようです。
日本レコード大賞、おめでとうございます。
音楽界に評価されること、たくさんの人が「ケセラセラ」を聴いたこと、今日も唱えたこと。愛されていること、少しでも伝わっていれば、幸いです。
12月31日、
第74回NHK紅白歌合戦。
初出場、おめでとうございます。
オープニングからとても楽しそうで、嬉しかったです。楽しんでいる姿が嬉しいです。それだけです。
会場を一瞬でミセスのダンスホールにしてしまうこと。華麗なダンス、格好良かった。コラボレーションで光る歌声。本当にお上手なんだから。縦眉毛疑惑が出ているけれど、やってやりましたか?「この愛を歌い続ける」と、紅白の舞台で、誓う姿が印象的でした。初出場とは思えぬ、華やかで、ミセスらしいパフォーマンス。とても素敵でした。ありがとうと、おめでとう。掲げ続けた夢が叶う先で、あなたが何を見据えているのか。その背を、見つめています。
23年のMrs. GREEN APPLEへ。
目の回るような活躍ぶり、お見事でした。素晴らしかったです。いつも手を引いて、笑顔にしてくれて、本当に私は貴方たちを欠片程度しか知ることは出来ないのだなと感じる寂しさもありました。努力を見せないタイプ、そうですね。時折甘えるように、ちらりと見せてくれる言動を、大切に抱えています。あなたたちを好きな時の私が好きです。よく笑ってよく泣いて、喜怒哀楽がはっきりしていて、誤魔化さず素直で居られて。とても誇らしい気持ちです。幸せにしてくれてありがとう、ずっと傍に居てくれてありがとう。落ちる時も、呑まれる夜も、一緒に居てくれてありがとう。来年も、私のことを愛していてください。来年も、愛させてください。わたしの原動力である愛の、その源。どうか、その傍で生きていけますように。
23年の私へ。
ありがとう、失ったり、得たり、そんなことの繰り返しだったね。私の腕は思ったより抱えてくれない。それでも、やさしく在りたいと思ってしまったせいで、随分と苦しめてしまってごめんね。体のことを苦しめなかった代わりに、心ばかりに負担をかけたね。辛かったね、ごめんね。24年もきっと、何かを失い、何かを得る。何かを手放そうとして、心が千切れる。それでもどうか、人を閉じ込めませんように。好きだから手を放せる人へ、なれますように。
さようなら、23年のわたし。
明日も「つづきから」。
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