その人の口にしたもの、耳にしたもの、目にしたもので、骨が作られているとしたら。

わたしの骨は
あなたでできている。
と、いつか言える日が来るのかもしれない。

あなたみたいになりたい。
そう分かってしまった季節をよく覚えている。
もう他には何も要らなかった。何も欲しくなかった。ただ全てはあなたが良かった。
あなたみたいになりたかった。

綺麗に生きたい。
いつまでもガワが汚くて、進みたい方角に顔を背けて「明日もあるから」「来月から」「この時期を終えたら」と先延ばしにする、そんな自分をやめたい。全ては計算通りだったと丸く収めて、傷付いたことに気付かないふりをする夜をやめたい。
人になりたい。人で居たい。
あなたみたいなひとになりたい。

最後は海で待ち合わせたい。
砕かれて、粉になりたい。
どんな人生を送れば、こんなつやつやした骨になるの?と誰かが驚いてしまうくらい、私の人生を想像してくれるくらい、素敵な骨になりたい。

あなたの骨は、きっと綺麗だから。


そんな今夜の傍に、あなたの音を。
目が覚めても悲しくならないように、あなたの姿を。
私の人生に、あなたの言葉を。


どうか健やかに。
時に病んで、殆どは笑って。
世界はあなたを放さないけれど、
仕事はそこそこに。
どこまで行くのか知らないけれど、
その時まで。

生まれてきてくれてありがとう。
あなたをおもう気持ちひとつで、
わたしは生きられます。

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