見出し画像

カルドウェル デビュー戦

いよいよこの時がやってきた。
40口馬、初のデビュー戦だ。

40口を持てるような収入は全くなく、細々と始まった一口馬主人生。最初はノルマンディーのみで始まった。
当時のクラブは重賞出走すら珍しく、個人的にもいつか重賞出走出来ればというスタンスで過ごしていた。
そんな時、ノルマンディーにデアリングタクトが現われる。
当時は、美浦所属優先で出資を考えていたため眼中になかった。桜花賞制覇時は嬉しかったが、次第に悔しさが溢れていった。
資金的にもキャロットやシルクへ入るのは厳しいと考え、東サラを検討していた中、突如インゼルが立ち上がったのだ。

インゼルの入会チャレンジに挑戦し、過去最高金額のドルヴァルへの出資が叶った。だが、結果は勝ち上がれることはなかった。インゼル2世代目にも出資し、ノルマンディーでは重賞への可能性が高まりそうな地方募集へ何頭も手を出した。
しかし、全く重賞へ絡むことはなかった。

悶々としていた時に、一発逆転するならば40口の馬への挑戦を閃いた。当然ながらどツボにハマるコースになるとは分かっていたが、社台の資料を取り寄せた。

馬を見る目は全くない。
資金力も全くない。
血統も何も分からない。
そして今のところ運もない。
そんな中で2022年産の検討を開始した。

決まり事は1つだけで、予算は最大で60万円までということ、出来れば50万円以内にしたいということだった。
この範囲内で大舞台を狙える種牡馬が見当たらなかった。しかし、唯一可能性があるのがスワーヴリチャードだと感じ、プロキシマ22に釘づけになった。
どうしても40口に挑戦したく検討をしていると、人気を読まないと出資出来ないことを知った。特に入会初年度は人気薄を狙うのがベターだということだった。
中間発表などでプロキシマ22の名前が載っていた。ただ、このままだといけそうな感じと思っていたが、締切直前の伸びがすごいという話を目にした。
それを見て逡巡していたが、締切直前に自分の運にかけることにした。

結果は見事当選し念願の社台入会を達成した。
すると、プロキシマ22ことカルドウェルの順調度合いが凄まじく、1歳時に本州へ移動し2歳3月に入厩とゲート試験合格となった。

そして6月8日、社台22年産のトップバッターとして京都5Rでデビューすることになったのだ。

6月8日には先に予定が入っていた。アウェイで徳島戦があるのだ。しかし、幸か不幸かこの徳島戦はルヴァンカップの影響で日程がズレ込む可能性があった。
最初は飛行機を予約しようかと思っていたが、ルヴァンカップで岡山に勝ったことで飛行機が使えなくなってしまった。
徳島への行き方を考えていると、陸路で最短で行くには新幹線+高速バスということだった。早速高速バスの予約を取っていると、急遽カルドウェルのデビューが6月8日になったのだ。

どうしてもカルドウェルのデビューは生で観たいと考えていると、新幹線+高速バスでは電車が少しでも遅れたら徳島戦に間に合わないことが判明。代替案を考えていると、レンタカーなら滑り込みで間に合うということだった。
これでいよいよカルドウェルのデビューを観られる体制が整ったのだ。

まえがきは長くなったが、京都競馬場へ到着した。
到着したタイミングは東京3Rの締切10分前だった。
その東京3Rには、ベルイストワールが出走することになっていた。
なんとか記念馬券を購入することが出来て、いざレースを見ることに。
最内に上手くつけると、4コーナーでは5番手につけ直線で伸びてきた。先頭に立つと後続の人気馬が猛追してしたが、人気馬達をねじ伏せてまさかの優勝を飾ったのだ。

まさかの1着入線

全く予想していない勝利だったが、これが中央で9ヶ月ぶりの勝利ということで感激していた。

そして、カルドウェルの出番がやってきた。

カルドウェル
カルドウェルと松山騎手
いざ本馬場へ

パドックではしっかりと隊列を崩すことなく歩けていた。調子や雰囲気は分からないが、カメラにチラチラ目線が飛んできていた。

返し馬ではややテンション高い?


返し馬では1頭が落馬し、6分遅れてゲートが開いた。

スタートはまずまずで、先頭集団につけることに成功。3番手あたりで追走し4コーナーを回った。

最後まで走ってくれたが
ゴール前はシンガリでの入線


しかし、そこから伸びることなく最下位で入線となった。

談話では馬がやめてしまったのと、成長途上ということだった。
一世一代の大勝負に出た出資は、まさかの最下位スタートとなった。
全く予想していなかった結果に少々落ち込んでしまっているが、おそらく次走は立て直して秋頃になるだろうか。
見事な変わり身を期待していくしかない。

ただ落ち込んでいる暇はなく、徳島へ急いで向かうこととなった。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?